「過去問の点数が伸びない。どうしたらいい?」→中学受験の専門家が教えるテクニックが実践的だった!
● ケアレスミスが減らない時は 「注意力不足か、練習不足か」に注目 Q2 何度言ってもケアレスミスがなくなりません。試験直前なのに……。 A2 問題文の基礎的な条件(例:適切なものを選びなさい/適切でないものを選びなさいなど)のミスについては、小6の直前期には徐々になくなってきているものと思います。 ここがまだ克服できていない場合は、過去問の合格最低ラインをしっかりと提示して、いかにケアレスミスが大きく合否に影響があるかを納得するまで説明してあげると良いでしょう。 また、「ケアレスミス」と一口でまとめられてしまいやすいのですが、「注意力不足」によるミスなのか、「練習不足」によるミスかについては、冷静に分析する必要があります。 よく「算数の計算問題くらいは全問○でないと……」と言われますが、実際の入試では煩雑なプロセスを伴うものが出題されています。計算問題でいつも点数を落としているのであれば、ケアレスミスと片付けるのではなく、単純な計算の練習不足と考えて、毎日の勉強時間に練習時間を組み込み直すなどして対策を講じなくてはなりません。 もう一つ、子どもの心情を鑑みた観点からポイントをお伝えしておきます。 本当は問題の解き方が分からず答えを間違えたのに、「解き方は分かっていたんだけど、うっかりミスしちゃった」と言う子がいます。×をもらったことで叱られるのは同じでも、「解き方が分からない」よりも「うっかりミスで計算を間違えた」ことのほうが、叱られ方が軽いことを経験的に知っているからです。無意識にそう言っていることがあるので「最近、言い訳が多いな」と思ったら、叱るよりも間違いの理由を一緒に探すようにしてみましょう。 *バックナンバーの「中学受験「子どものケアレスミス撲滅」6つの特訓メニュー、夏休みに放任する親は後で泣く!」でも、詳細をご説明しています。 Q3 うちの子はなかなか自信が持てず、第一志望に合格するイメージが湧かないと言います。 A3 厳しい言い方をすると、年内に合格するという自信を持っているお子さんの方が「勘違い」であることが多く、逆に心配です。私は、中学校の先生から実際の入試の点数や分布を見せていただく機会があるのですが、合格最低ラインを超えて楽々と合格している例はほとんどありません。 たまに“押さえ校”として受験した子どもが大きく合格最低点を超えていることがありますが、その子は入学しません。実際にその学校に入学する子どもは、「合格最低点から数点~10点」くらいの間に固まっています。つまり、相談者のお子さんが心配しているような〈年内に受験校の合格ラインを超えているライバル〉なんて実際にはいない、と断言できます。 自信が持てないのは、何とかして合格したいという気持ちの裏返しです。その不安を、進学したい学校への強い意志というパワーに変換しましょう。