自信がないならウェルカム! 目利きを自負するなら回れ右! 認定中古車を買っていい人ダメな人
認定中古車ってどんなクルマ?
新車を買うのであれば、相見積もりを取ってもっとも値引きが大きい(支払い総額が安い)販売店で購入するというのが賢い消費者の行動になるが、中古車においてはそうはいかない。 【画像】コミコミ10万円以下でも手に入る「激安中古車」! 本当に買ってもいいのか注意点をチェックした 現在の工業製品レベルにおいて、新車というのは基本的に同一コンディションであり、仮に不良品であっても、一定期間においては保証されるものだが、そもそも中古車というのは個々にコンディションが異なるものだからだ。仮にまったく同じ車種・グレードで、走行距離が同一だったとしても、使われ方によって車両の状態は異なってくる。 なので新車を買うように、いくつかのお店にある中古車を比較検討したからといって賢い買い物ができるとは限らない。値段だけで決めると、いわゆる「安かろう悪かろう」な個体を掴んでしまうこともある。車両の状態と価格がバランスされていることを見極める眼力が求められるのが中古車を選ぶということなのである。 中古車を見つける王道は、中古車専門販売店が扱っている個体を各種の中古車検索サービスで探すことだろう。また、もっとも安価に見つける手段としては、ネットオークションで探す手もあるが、こちらもコンディションを見極める眼力が求められるのも事実。
認定中古車はビギナーにもってこい!
逆に、良コンディションの中古車を見極める自信がないユーザーにオススメなのが、メーカー系やディーラー系の扱う「認定中古車」と呼ばれるものだ。 メーカーやブランドによって詳細は異なるが、総じて保証が手厚いのが認定中古車の特徴。中古車販売店によっては保証ナシであったり保証期間が数カ月であったりということもあるが、認定中古車であれば年単位での保証がついてくることが多い。 もちろん、すぐに故障しそうなクルマに手厚い保証をつけてしまうと販売店側は赤字になってしまう。つまり、手厚い保証をつけても大丈夫なくらい故障しづらい個体だけが認定中古車として選定されるという見方もできる。あわせて販売前に保証で直すことになりそうな部分を修理、オイルなどの消耗品を交換するなど、丁寧に対策しているのも認定中古車に見られる傾向だ。ある意味、良コンディションの中古車を作っているともいえる。 ネットオークションや多くの中古車専売店で扱っている個体と比べると、同グレード・同等走行距離で割高に見えることもある認定中古車だが、コンディションを含めて見比べると、十分にリーズナブルといえることが多い。すなわち、中古車の目利きに自信のないユーザーにとっては、メーカー系・ディーラー系の認定中古車というのは賢い選択になり得るのだ。 また、認定中古車として認めるために高年式・低走行を条件としているケースが多い。そもそもコンディションのよい個体に十分な手を加えているのが認定中古車といえる。その中身を知ると、ノーメンテで右からの左に流すようなネットオークションの中古車と同じ土俵で比べるのが失礼に思える。 逆に、十分に中古車の目利きができ、リーズナブルにメンテナンスや修理ができる環境にある人にとっては、認定中古車は割高に見えるというのも事実だろう。手厚い保証をつけるリスクをヘッジするために価格が上昇している部分を、そうしたスキルがあればカットすることができるからだ。 まとめると、メーカー系やディーラー系の認定中古車は手厚い保証をつけても大丈夫なくらい良コンディションである傾向が強く、1台1台が異なるコンディションの中古車を見極める眼力に自信がない人にはオススメできる。一方、中古車の目利き力のあるベテランユーザーであれば、購入後に必要となるメンテナンスなどのコストも含め、ほかの選択肢を取ったほうがトータルでのコストを抑えられるケースもあるだろう。 ちなみに、筆者がメーカー系やディーラー系の認定中古車を探すときは、ディーラーの試乗車あがりの個体を狙っているときが多い。複数の人が運転している点や洗車され過ぎているという点を嫌うのでなければ、ディーラー試乗車というのは、とくに室内がキレイな傾向にあり、装備の充実したグレードを選んでいるケースが多く、お買い得に感じるケースが多いと思っているからだ。
山本晋也