どのチームにもまだ勝機あり。プロ野球の大逆転劇とは⁉【山本萩子の6-4-3を待ちわびて】第122回
3月に始まったペナントレースも間もなく折り返し。チームによって成績は悲喜こもごもです。 【写真】山本キャスターの最新フォトギャラリー パ・リーグでは、首位のソフトバンクと最下位の西武は27ゲーム差。セ・リーグでは、我がヤクルトも首位と8.5ゲーム差(7月11日現在)がついており、来シーズンに思いを馳せたくなってしまう日もありますが、こんなとき、下位に沈むチームのファンを慰めてくれるのが過去の大逆転劇です。 過去最大のゲーム差から優勝したのは、1963年の西鉄。その差は最大14.5ゲーム。最多勝のエース稲尾和久さんをはじめ、中西太さんも監督兼任として活躍するなど、歴史に残る大逆転劇を完結させます。ちなみに、当時セカンドを守っていたのは、元オリックスの仰木彬さんでした。 1996年の巨人は、首位の広島との11.5ゲーム差をひっくり返しました。長嶋茂雄監督の掲げた「メークドラマ」というスローガンは流行語にもなりましたね。この年のシェーン・マックさん、松井秀喜さん、落合博満さんのクリーンナップは驚異的でした。 最近だと、2022年のオリックスが最大11ゲーム差を逆転して優勝を勝ち取りましたね。こうして過去の事例を調べていると、我がヤクルトに希望の光が灯ったような気がしますが、西武のみなさんにも明るい材料があることをお伝えさせてください。 逆転優勝の最大ゲーム差は14.5ですが、これは7月12日時点での数字でした。7月後半から8、9月と連勝を重ねて優勝をもぎとった西鉄はもちろん素晴らしいのですが、私が注目したのは2011年の中日です。 この年の中日は、最大で首位ヤクルトと10ゲーム差をつけられました。それがなんと8月3日時点の数字で、そこから優勝したんです。 最大ゲーム差からの逆転優勝というテーマではあまり話題になりませんが、記録に残らない偉業を達成したチームを率いたのは、名将・落合監督でした。落合さんは1996年メークドラマの立役者でもあります。ちなみに、チームの逆転劇にどう影響したかはわかりませんが、落合監督はシーズン途中で契約満了による退任が発表されています。