口から泡を吹いて倒れた夫…その後『植物状態』に。夫を2017年から支え続けSNSでイラストを発信し続ける妻 そのわけに迫る
SNSでの発信が書籍化に…
そらさんの職業は美容師で、お客様に医療関係の仕事をしている人が多数いました。 自身が、ご主人が病気になって何をしていいのか、どうしたらいいのがまったくわからなかったときに、その人たちから、手浴、歯磨きの仕方、刺激の与え方、シーツがよれているときの背抜きのやり方など、さまざまなことを教えてもらったといいます。 ※手浴(しゅよく)…温かいお湯を利用して手を丁寧に洗うこと。 「教えてもらわないとわからないことばっかりだった…」とそらさん。 そこで、もし他に同じような病気になった人がいて、その家族の人がどうしたらいいのかわからないと思ったときに、主人と私の体験談が少しでもお役に立てることができたらいいな…と考えるようになります。 そして、コロナ禍で面会できなくなってしまった時間を使って、ご主人との日常をイラストエッセイ漫画にし、SNSで配信していくことにしました。 その漫画は、後に『推しは目覚めないダンナ様です』として幻冬舎コミックスより書籍化されることになります。 SNSで発信をし始め、そらさんにはこうした気持ちの変化がありました。 「書籍化のお話がきたことが1番の変化だったと思います。書籍の担当の方も『いろいろな人のお役に立つことができるといいですよね!』と言ってくれたので、病院生活を描いてみてよかったんだなと思いました。SNSでも読んでいただけているのと、書籍としても読んでくれる人がいると思う気持ちの変化がありました」 また、漫画にはたくさんのコメントが寄せられています。 そうしたコメントについて「主人のことを応援してくれたり、私が嬉しかった出来事を読んでくれた方が自分のことのように喜んでくれたり、漫画の内容や書籍で描いたことなどを『実践してみます!』と言ってくれたり…。また、医療従事者の方からは『これからも患者さんやそのご家族のために頑張ります』と言ってもらえました。心に残ったのは、医療従事者を目指している学生さんたちからの『頑張ります』というコメントです。あと私が主人に対しての推し活を、共感や理解してくれているコメントを読むのもとても楽しいです」と語っていました。