イタリアで炭水化物リバイバル、「幸せホルモン」含むパスタで陽気度倍増
10月25日は「世界パスタの日」。地中海食文化の象徴として、パスタはユネスコにより無形人類遺産として登録されています。さらにイタリア政府は昨年3月23日、「イタリア料理」のユネスコ世界無形文化遺産登録への申請を表明しています。 ■1食分のパスタで「1日分の幸せホルモンが摂れる」 イタリア発祥の今日のパスタ食文化は、古代メソポタミア文明に起源を持つと言われ、古代ローマ時代から市民に馴染みあるものでした。世界最古の料理書のひとつとして知られるアピキウス著『料理帖』(紀元前80年~40年頃)には、小麦粉と水でつくった“ラガヌム”という生地を使った、肉や魚を交互に重ねたラザーニャのような料理が登場します。 イタリア人は陽気でおしゃべりというイメージがありますが、その理由は食文化にありました。 パスタを毎日食べることで、イタリア人の脳内では、<幸せホルモン>と呼ばれるセロトニンが常時盛んに生成されているからです。 脳内で作られるセロトニンの材料は、必須アミノ酸のトリプトファン。ただし人間の身体は、トリプトファンを自ら作り出すことができません。パスタ1食分(100g)のトリプトファン含有量はなんと白米の約1,7倍!一度の食事で1日の必要摂取量(140mg)を摂ることができるのです。 ■イタリアの若者のトレンドは「炭水化物リバイバル」 そのため「いつもハッピーで健康でいたい」というイタリアの若者層を中心に、持続的なエネルギー源かつ幸せホルモンの供給源として、いま「炭水化物リバイバル」がトレンドとなっています。お弁当という概念がないイタリアですが、「ウォーキングパスタ」という造語まで生まれ、冷めても美味しい持ち運びパスタレシピが注目されています。 実はデュラム小麦セモリナのパスタは太りにくい麺です。GI値60のうどんと比べてみればわかる通り、なんとパスタはGI値40前後の低GI食品であり、植物性のタンパク質と食物繊維も含まれています。カロテノイド(ルテインとベータカロチン)は抗酸化作用もあり、オリーブオイルと合わせることで整腸作用とエイジングケア効果も。パスタ100グラムは約360kcal ですが、その約70%は複合炭水化物であり、タンパク質含有量が10~13%を占めます。 前述のパスタに豊富な神経伝達物質であるトリプトファンは、エネルギー生産を促進する炭水化物のほか、グリコーゲン回復要素、さらに脂肪の代謝を促すビタミンB群まで網羅します。 ■パスタの新時代到来──「アスリートパスタ」とは イタリアにおけるパスタ食は進化し続けており、パスタの聖地である中部イタリアでは、「LA PASTA DEGLI ALTETI(アスリートパスタ)」が発売されています。デンプンの構造を変化させずに保存する生産プロセスを通して、伝統的な手打ち技術を踏襲し、タンパク質を劣化させない作り方をしている特殊なパスタです。 サッカーのイタリア代表チームは赤身の肉を禁止し、野菜入りのパスタを好むと言われています。2020 年東京オリンピックの旗手であるバレーボール選手の パオラ・エゴヌなど数々のオリンピック選手もベストな身体づくりとトレーニング後の回復にはパスタのようなグリコーゲン回復食が必須であるとしています。 デュラム小麦セモリナパスタは、100 gあたり約350 Kcalですが、消化率が非常に高いのです。そしてなによりグリコーゲンという筋肉に蓄えられる糖を最速で回復してくれます。そのためサッカーイタリア代表のボヌッチやキエッリーのようなトップアスリートにも好まれるのですね。 ■編集後記:長谷川悠里 トップアスリートはパスタ好き。デュラム小麦セモリナにこだわるパスタ愛好家が多い、それはなぜなのか日本ではあまり知られていません。イタリア語で「デュラム」は小麦の種類、「セモリナ」とは粗挽き粉。そば粉と同じく“身体にいい麺”には理由がありました。 イタリアでは幼児用の星やサッカーボールなど可愛らしい小さな乾燥パスタもたくさん売っています。子育て中の方はぜひお子さんへの食事にもパスタをとり入れてみてくださいね。「パスタを食べるとみんな幸せ」という“イタリア人の当たり前”を日本に広めていきましょう! ※本稿はエルゴン・ジャパンのプレスリリースからの転載(再編集)である。
長谷川悠里