胸部外科リーダー育成のJATS-NEXT初開催―最年少当選、髙島・芦屋市長が特別講演
◇第1回JATS-NEXT Annual Conferenceを振り返って
●JATS-NEXT委員会 委員長 新浪博士先生 「中堅・若手から発信される初の学会が盛況に開催できたことを喜ばしく思います。 普段の学会では見られないユニークなテーマが多く取り上げられ、若手を中心に活発に議論される様子は非常に熱気あるものでした。臨床、研究、将来への悩みや不安を先輩たちがどうやって解消してきたのか、理想とする胸部外科医への道をどのように切り拓いていくのか、日々の業務に追われるなかで、本会をきっかけに若手の先生方がそれぞれに、“何か”を掴んでいただけたのではないかと思っております。 このような活気ある会が第2回、第3回と続いていくことが、次世代を担う胸部外科医らのみならず、学会全体が活気付くよいきっかけになるのではないかと考えます。今後のJATS-NEXT世代の活躍を祈念します」 ●JATS-NEXT委員会 委員 田中千陽先生 「中堅世代のリーダー育成が急務となるなかで、今回JATS-NEXT Annual Conferenceが開催されました。プログラム委員で会議を重ね、有意義でかつ、新しくておもしろいセッションを試案しました。当日は高難度領域横断手術など従来の学会に出しても遜色のない議論もあれば、こだわりの手術器具の紹介、外科医が発信するSNS、自施設のプロモーションビデオで魅力を知ってもらうセッションなど、多岐にわたるユニークな内容となりました。とりわけスピーチコンテストでは外科医が思っていることを赤裸々に、体当たりで主張し、リーダーシップに欠かせないアウトプット能力を発揮していただきました。終われば大変盛会であり、参加者に心地よい新風を吹き込めていたのではないかと思います。私にとっても50歳以下の胸部外科医のみで全国学会を開催したことは貴重な成功体験となりました。次回開催は2025年春~初夏頃を予定しています。私たちが現在地および未来に向けて必要な会を追い求める所存であり、ぜひご支援いただければ幸いです」 ●JATS-NEXT委員会 広報担当 野上英次郎先生、松田諭先生、宮﨑拓郎先生 「“第一回JATS-NEXT annual conference”を終え、あらためて、期待以上の成果、新しいアイデアを取り込んだ素晴らしい学会を経験、開催できました。アンケート結果からも、学会参加者の満足度は高く、通常の学会とは異なった形での開催として認識していただいたことも伺い知れ、当初の我々の目標もある程度達成できていたものと考えられました。実際、研修医の先生から、50歳代の先生までの幅広い年代の先生方から、活発なプレゼンテーションをいただき、胸部外科医、胸部外科学会の明るい未来を展望することができました。 さらに、この学会では解剖講義、外科医としてのSNSの嗜み、キャリアに関するセッションなど、次世代の胸部外科医が医学会のみならず、社会においても成長するためのさまざまなプログラムも提供されました。 広報担当として、この学会が次世代を担う胸部外科医をより強化し、学会の未来を担うリーダーを育成するための重要な一歩になったことと信じ、今後もJATS-NEXTが次世代による参加を奨励し、新たなアイデアや展望を取り入れることで、胸部外科分野の発展を継続して支援し、発信していきたいと思います」 ●日本胸部外科学会 前理事長 澤芳樹先生 「日本胸部外科学会には70年以上の歴史があります。これは外科系の組織としては、日本外科学会に次いで長い歴史と伝統を有するものです。当学会は多くの教授を輩出しており、大きな組織ですが、その規模ゆえに若手が中心的な役割を担うことはこれまで難しい状況にありました。 今回、若手の先生方が中心となって、企画立案から趣意書の作成、TEDスタイルのピッチコンテストや髙島市長による講演会など、多彩な新しい取り組みを主体的に実現してくださいました。私たちは、今後も次世代のリーダーを育成するための取り組みが発展していくことを心から期待しています」 ●日本胸部外科学会 理事長 千田雅之先生 「第1回JATS-NEXT Annual Conferenceを無事、成功裡に開催することができました。JNAC開催のもととなるJATS-NEXTは、日本の胸部外科領域の診療・研究の将来を託すことになるであろう若手世代に、現代的な思考を取り入れながら自ら考えて進んでもらうことにより、将来的には日本胸部外科学会の核となっていただき、日本の胸部外科領域の診療と研究が今後も世界に伍して戦っていけるものであり続けられるように、祈りを込めて理事会での喧々諤々の議論を経て生まれたものです。日本胸部外科学会は、若い皆さんの活躍を真に期待しています」
メディカルノート