ぎゅうぎゅう詰め“ゆとりーとライン” 志段味地区の人口が倍以上に増加 増便したくても「バス製造のノウハウがない」
中京テレビ「あなたの真ん中取材班」に、こんな声が寄せられました。 「ゆとりーとラインが大変なことになっています。昭和の山手線を越えるような状況で、 通学したい小学生なども押しつぶされながら耐えています」 【動画】「ゆとり」がない!?ぎゅうぎゅう詰め… そこで取材班は現場に直行。ゆとりーとラインの現状を取材しました。
乗客に「ゆとり」なし 朝はぎゅうぎゅう詰めで乗れないことも…
7月4日午前8時ごろ、名古屋市守山区にあるゆとりーとライン「金屋駅」。バスを待っていた人たちに話を聞いていると、1台のバスが到着しました。車内はかなり混雑しています。 バスを待っていた男性が乗り込もうとしましたが、ぎゅうぎゅう詰めで乗ることができず、あえなく一本見送り、次の便を待つことに。次に来たバスもかなり混雑していましたが、男性はようやく満員のバスに乗ることができました。
一番多い時間帯だと2分に1本の間隔で運行していますが、それでもぎゅうぎゅう詰め。乗客は「50mくらい並んでしまうときもありますね」「小さな小学生とかも足を引っかけて体を中にきゅっと入れて(乗る)」と、毎日かなり混雑すると話します。 ゆとりーとラインは、大曽根から高蔵寺をつなぎ、高架レールと一般道の両方を走行できる、日本で初めてのバス。案内輪という装置を使い、鉄道のようにレール上を走ることができるのです。渋滞の影響を受けない快適さから「ゆとり」と名付けられましたが、現在、乗客たちに「ゆとり」はないようです。
志段味地区の人口増加で朝の通勤通学の時間帯が激混み
ゆとりーとラインがこれほどまでに混雑する原因は、いったい何なのでしょうか…? 名古屋市によると、ゆとりーとラインが走る志段味地区では大規模な住宅地の開発を行っていて、人口が爆発的に増加。2007年と現在の写真を見比べると、緑の田畑があったところに、住宅地などが立ち並んでいるのがわかります。
ゆとりーとラインの開業当時には約1万6000人だった人口が、今は4万人近くに。ここ数年でも毎年1000人ほど人口が増え続けているといいます。 名古屋ガイドウェイバス 林史彦さん: 「守山区は地下鉄がない区で、地下鉄に変わる交通機関として整備をしていました。想定以上ではないですが、特に朝の通勤通学のときは最大限の車両をもっても今いっぱいいっぱいという状況です」 ただ、簡単には増便できない事情もあるようで…。