世界幸福度ランキング1位「フィンランド」の誰もが生きやすい社会作りの背景にあるもの[FRaU]
Sulapac
女性の生化学者が立ち上げた〈スラパック〉は、従来のプラスチックと同等の品質や機能を持ちながらマイクロプラスチックを残さずに生分解できる木材ベースの材料を開発。
生産するにあたり、既存のプラスチック成形機や量産ラインでも使用できるよう設計されている。
各企業が取り入れやすいという面も魅力。
Infinited Fiber
衣料廃棄物を新しいテキスタイルに生まれ変わらせる先進的な技術を開発した〈インフィニテッド・ファイバー〉。綿のようにソフトな繊維ながらマイクロプラスチックを一切含まない。
さらに着古されても、その繊維は同じ技術を利用して再びリサイクルが可能で品質や耐久性も維持される。現在〈パタゴニア〉や〈H&M〉などと協働する。
Woodly
食品で使うプラスチックパックや容器は漏れや臭いの防止など、役立つことも多い。そのメリットを維持しながら、生態系への影響を軽減するように“再設計”したのが〈ウッドリー〉。
主な原料は針葉樹のセルロース。従来の化石資源由来のプラスチックと同じ特性を持ちながら、環境に優しく、リサイクル可能な包装材が誕生。
Restaurant Nolla
「ゼロウェイスト」をテーマにした〈レストラン ノッラ〉。調理中に出た野菜くずや生ごみはすべて店内でコンポスティング。
培養土に変え、定期的に地元農家に提供する。使い捨てのプラスチックなどの包装ごみも一切なし。ナプキンや花瓶、グラスも再利用。
地産地消で有機野菜をベースにした料理が堪能できる。
百貨店に店舗を構えるのは驚きだが、質が高いものが多く揃うので、古着を買うことに抵抗がない人が多いという。
併設されたカフェでは、ヴィーガンなどヘルシースイーツも充実。意外な組み合わせで、楽しく買い物できる。 フィンランドの教育事情 フィンランドの教育制度は学校や生徒の競争・比較が目的ではなく、子ども一人ひとりの学習と成長の支援を目的として整備されている。すべての子どもたちがプレスクール(就学前教育)と基礎授業を受ける権利を持つ。男女別の学校はなく、学費と教材費、給食費はすべて無料。自宅と学校の距離が5kmを超える場合、交通費も無料。学習指導要領となるコアカリキュラムには、ほぼすべての科目に気候変動問題やウェルビーイングに関する項目が入る。公平性、地域社会、成功体験の共有が重視され、基本的人権や民主主義の教育も。2021年には義務教育が18歳まで延長された。