賞味期限1週間だった海ぶどう 技術向上で「賞味期限2年」に 販路拡大で世界へ挑む山城由希さん
近年観光客からの人気が高まっている海ぶどう。通常1週間程度の賞味期限ですが、これを2年に延ばし、世界へ販路を広げている人がいます。日本バイオテックの山城由希さんです。 【写真を見る】賞味期限1週間だった海ぶどう 技術向上で「賞味期限2年」に 販路拡大で世界へ挑む山城由希さん ▼日本バイオテック 山城由希 代表「私が行ったことない国まで(海ぶどうが先に)行っています。それを後追いしていく」 養殖場「海ん道(うみんち)」を立ち上げたのは、実業家だった由希さんの父、幸松さん。2000年代初頭の“ちゅらさん”ブームに乗り、新宿で沖縄物産展を開いた際、海ぶどうの売れ行きに可能性を感じ、すぐさま糸満市に原野を購入。養殖場を建てました。 その後2009年に由希さんが事業承継し、国外への展開を見据えるようになりました。それには乗り越えなければならない壁が…賞味期限を大幅に延ばすことです。由紀さんが特に重要視したのは、養殖環境でした。 ▼日本バイオテック 山城由希 代表「いけすに遮光ネットが入っているんですけど、光の具合によっていけすが汚れるんですよ」 ▼仲村キャスター「雑菌とか汚れ?」 ▼日本バイオテック 山城由希 代表「というよりも藻が付くんですよ光によって」 藻の繁殖を抑え、海ぶどうの呼吸を妨げないこと。新鮮な海水を引き、いけすの中に砂を入れないことがポイントです。そうすることでいけすを清潔に保ち、長期間保存できる海ぶどうの生産に成功しました。 ▼日本バイオテック 山城由希 代表「15年くらいかかっています。このいけすも自分で設計図を描いて…」 出来上がった海ブドウを、濃度を細かく調整した塩水と一緒に梱包する独自のパック技術も開発して完成した、山城さんの海ぶどう。去年は15の国と地域におよそ1トン輸出し、フランスのレストランで提供されるなど、今注目を集めています。 「食材の並びが、例えばお寿司とか和菓子とか、なんかそういう並びに海ぶどうが居たりするんですよ。それにちょっと感動しちゃいますね」 熱い視線が注がれる由希さんの養殖技術ですが、由希さんはもともと1次産業とは程遠い環境で生活していました。由希さんは東京で生まれ育ち、慶應義塾大学を卒業後、ソニーに就職。絵に描いたようなエリートコースを歩んでいましたが、次第にもっと情熱を注げる仕事がしたいと考えるようになります。