生分解性プラスチックは深海でも微生物に分解される 東大などが実証
深海と岸壁における生分解速度を比較すると、岸壁の分解速度に対して水深1000メートルでは5分の1から10分の1、同5000メートルでは約20分の1だった。水圧や水温などの環境変化に加え、微生物の存在量や多様性が関係するとみられる。PHA製のレジ袋ならば、同1000メートルで3週間から2カ月で生分解される計算になるという。
遺伝子解析を通じて、深海から生分解性プラスチックを分解できる新たな微生物を多数発見。世界各地で集めた海底堆積物にいる微生物を集めたデータベースに載っていることを確認した。
岩田教授は「ポリ乳酸の分解には温度と湿度が必要で深海での分解は難しい。ほかの生分解性プラスチックでも深海での分解速度は異なる。回収のしやすさやどれくらいの期間ならば環境中にとどまっても影響を少なくできるかなどを考慮しながら使い分けをする必要がある」と話している。
研究は、海洋研究開発機構、群馬大学、製品評価技術基盤機構、産業技術総合研究所、日本バイオプラスチック協会と共同で行い、英科学誌「ネイチャーコミュニケーションズ」電子版に1月26日掲載された。