80代両親の死で〈ほぼ無職・親の年金頼り〉の50代兄から「お前のところに行く」と…押しかけ同居宣言を受けた独身・会社員の妹、絶望
ひとり残った兄「オレはこれからどうしたらいいんだ!」
「父が脳梗塞を発症して要介護状態になり、看病にかかりきりになっていた母のほうが先に亡くなりました」 その後、父親は二度目の発作を起こして他界。鈴木さんの兄だけがひとり残った。 「〈オレはこれからどうしたらいいんだ!〉って、そんなこと知りませんよ…。〈生活保護でもなんでも受けたら?〉と返したのですが…」 しかし、生活保護を受けようにも兄は健康体だ。就労を促され、申請は認められない可能性が高い。なにより、扶養義務者の扶養は、生活保護法による保護を優先するため、妹である鈴木さんの援助を要請される可能性が高いといえる。 【扶養義務者】 民法第877条 (1)直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。 (2)家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。 (3)前項の規定による審判があった後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その審判を取り消すことができる。 「アパートの契約が切れたら、お前のところに行く」 兄のこの言葉に、鈴木さんは戦慄した。 「私がどれだけ頑張って、いまの生活を手に入れたと思っているのでしょうか。絶対にそんなことはさせません」 両親亡きあと、資産を持たない「無職のきょうだい」の存在は、ほかのきょうだいの生活を脅かしかねない。自分の生活を守りつつ、行政に相談するなど、何かしらの対応策が不可欠だといえる。 [参照] 総務省統計局『令和2年度国勢調査』 e-GOV『法令検索』 厚生労働省『生活保護制度』
THE GOLD ONLINE編集部