覚せい剤で逮捕のセクシー女優、13年間の女囚生活を明かす。「獄中の“彼女”から思い出作りを迫られて」
覚醒剤をやめたいなら長い懲役に行くべき
――薬物は我慢できたんですか? 合沢:それは我慢できましたね。最初はつい、良さそうな血管を探しちゃったりしたんですけど、もうそれは癖みたいなもので。 薬をやりたいって感じではなかったですね。9年間も刑務所に入っていたので、今は全然やりたいとも思わないです。だから覚醒剤をやめたいなら、長い懲役に行ったほうがいいです。長期間入るような罪を犯せって意味じゃなく、法律自体を変えたほうがいいんじゃないかな、と思います。 ――強制的に薬を抜かないと、てことですかね。 合沢:それもありますけど、私が「悪いことは絶対にもうしない」と思えたのが、2回目の懲役の6年目くらいだったんですよ。それまでは「出たらまた売っちゃおうかな」って思うこともありました。
「ずっと刑務所にいる人になっちゃったら、人生がもったいないよ」
――ついフラフラ、と再犯してしまうケースは多いようです。 合沢:私の場合、刑務所の中で仲の良い友達がいたんです。その子は所持・使用だけで5回くらい刑務所に入っていて。その子に「お金がなくなったら、また密売とかしちゃうかもしれない」って話したら「絶対にやめて」と言われました。 「また捕まったら、10年は確定だよ、そうしたらアナタは50歳になっても刑務所にいる、刑務所だけの人になっちゃうよ。それじゃ人生がもったいなすぎる」って。 ――そのお友達の実感から来る言葉ですね。 合沢:彼女も「自分がそうだから、自分が言うのもなんだけど。でも本当にもったいない」って。そのときに本気で「もう絶対に悪いことはしない」って思えたんです。 ――合沢さんは長く刑務所に入っていたし、そのお友達とも出会えて、今みたいにまっとうに生きよう、と。 合沢:はい、そう思えました。もし3年くらいしか入っていなかったら、もう1回やっちゃったかもしれません。 あとは刑務所の中で、ひとつのことをコツコツとやる、その大切さを学びました。芸能の世界は、初めての現場に行って、そこで良いパフォーマンスをして、お金をもらう、その連続なんです。それも継続は継続ですけど、短いスパンの連続。 ――1回1回リセットされる、って感じでしょうか。 合沢:それが、ひとつの小さな行動から始めて、地道に積み上げていって、頑張って認められる、そういう認められ方もあるんだなって気付けたのは、すごく良かったです。刑務所に入って、すごく貴重な経験をさせてもらいました。私にはこれくらいの荒療治が必要だったんだな、と思っています。 ――刑務所の方々への感謝があるんですね。 合沢:はい。最終目標は、刑務所に慰問に行くことです。でもなかなか難しいらしくて。これからさまざまな活動を頑張って、服役経験者としてのお話を刑務所でして、お世話になった方々に恩返しできるようになりたいですね。 <取材・文/蒼樹リュウスケ 撮影/星亘> 【蒼樹リュウスケ】 大学在学中に成人誌出版社で編集のアルバイトを始め、そのままアダルト業界に定住。大手AVメーカーの雑誌編集部を経て、フリーライターとして独立。好きなことを書きたいと思った結果、アダルトならなんでもありな文章を書きまくる生活を送っている
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