髙橋ひかる、モラハラ男子に「引っかかるタイプだと思います(笑)」と話すワケ
自己肯定感の低さは「過去の自分みたい」
――髙橋さんが演じた柚原美紅は、自己肯定感が低く、人の顔色を窺ってばかりいる役柄です。役柄に共感できる部分はありましたか? 私自身、学生時代は、自分の意見をうまく伝えることができないタイプだったので、本当に過去の自分をみているかのようでした。このお仕事を始めてから少しずつ変わりつつあるのですが、自分のそういうところが嫌だと思っていたので、美紅に対してもめっちゃ腹が立っていました(笑) 脚本を読んでいても、途中までは「なんでこうなっちゃうの!?」と理解できない部分が多くて、役に完全に入り込むのが苦しかったです。ただ、柚原美紅という人間を理解した上で、相手がいる状況で実際にお芝居をしてみると、「こうなりたくない」「わからない」と言っていた通りになっていったりして……それがすごく面白い体験でした。 ――それは、具体的にどんなシチュエーションで? 最初にハルくんに別れを告げるシーンですね。これまでは、ある程度、相手役の方がどんなリアクションをして、自分がどういう流れで返してというのを想定しながら現場に行っていたんですけど、今回は事前に想像できないシーンがすごく多くて。 それこそ、恋愛というものを本当にしてこなかったから、お別れをするとか、修羅場的な現場というのがわからないんですよね。どこで涙を流すかもわからないし、どこで怒るかもわからないし。 ――台本はあるけど、どうなるかがぜんぜん読めないと。 そうですね。ただ、「実際にどうなるか」という新鮮な感情をすごく大事にしてくれる監督だったので、「それは出たとこ勝負だよ」と役者に任せてくださる部分が多かったのはありがたかったです。 もちろんロジックを持っておくことが前提ですが、準備段階でしっかりとコミュニケーションをとって、お互いに安心した状況でお芝居ができました。
モラハラ男子に引っかかるタイプ
――ちなみに、髙橋さん自身が、ハルくんのようなモラハラ男子に引っかかってしまう可能性はなさそうですか? 周りからは「騙されそう」ってすごく言われているので、引っかかるタイプだと思います(笑)。私はあまり人を疑うことなく生きてきたので、なにか違和感を覚えたとしても、いい方に勝手に汲み取っちゃうんですよね。ハルくんにはハルくんなりの事情があってこういう言動をしているんだろうなって、勝手に組み立ててしまうというか。 だから、美紅を「昔の自分を見ているようだ」と言いながらも、人間の軸として変わらない部分があるなということは、今回の作品ですごく感じました。同じ関係に陥ってしまったら、私も美紅みたいな行動をとっちゃうだろうなというのはありましたね。 ――ちょっと心配になってきました(笑) だからこそ、(高倉)イヴくんのように、正してくれたり、見守ってくれる人が身近にいることはすごく大事だなと思いました。 ――実際、髙橋さんの周りにもそういった存在はいますか? 影山優佳ちゃんですね! すごく頭が良くて、周りのこともよく見ているけど、ちゃんと温かいハートを持っていて……本当にリスペクトしている頼れる友達です。前に友人関係でちょっと悩んでいたときに、影ちゃんに相談したこともあるくらいなので、それこそ、実際にハルくんとの関係性があったとしたら、私はずっと影ちゃんに相談してると思います(笑) ――影山さんの助言があったら、思い直せそうですか? 最初は絶対にできないと思います(笑)。でも、美紅もだんだんと違和感が募っていって気づけたので、「ひかるがそう思うならそれでいいと思うけど、自分はこう思うよ」って、負けずに正していってくれる人がいたら気づくことができるんじゃないかなと思います。そう言ってくれる存在は、すごく貴重だと思いますね。 ――影山さんは、はっきり言ってくれそうですもんね。 そうですね。この業界は特に自分をしっかりと持っている人が多いですし、周りにちゃんと意見をいってくれる人いることがすごくありがたいなと思いますね。私は割とクルクル変わってしまう方なので(笑)。そういう意味でも、今回のドラマは私にとっても学びがたくさんありました。ぜひ多くの方に見ていただきたいです。