殿堂入り師匠から「勇気があるならやりなさい」 仲村果乃が受けた“愛のムチ”
◇国内女子◇樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント 2日目(26日)◇武蔵丘GC(埼玉)◇6650yd(パー72)◇曇り(観衆4764人) 【画像】日本で初めて導入されたショットリンクがこちらです 今週はじめて挑戦してみたクロスハンド(右打ちの場合、左手がヘッド側)のパッティングは、思いのほかうまくはまった。ツアー未勝利の仲村果乃が、パッティングを武器にボギー無しの「67」で回って通算8アンダー4位につけた。「勇気があるなら、やりなさい」と前週に日本プロゴルフ殿堂入りの師匠から受けたアドバイスは、やっぱり間違いない。 京都府出身23歳が師事するのは、ツアー通算29勝で75歳の吉川なよ子。通っていた練習場で会ったことをきっかけに教えを乞うようになった。2022年のプロテストに合格し、今季はQTランキング54位で参戦。トップ10入りが7月「大東建託・いい部屋ネットレディス」6位の1回とまだ上位に顔を出せない中、48位に終わった前週「マスターズGCレディース」(兵庫・マスターズゴルフ倶楽部)では約5カ月ぶりに師匠が試合を見に来てくれた。
練習日と初日のプレーを見て勧められたのは、ショットで振り切ることと、パッティングでクロスハンドを試すこと。一度も試してこなかったグリップは、「最初はちょっと距離感が合わなかったけど、意外といける」とスコアメークにつながった。ほかにもみっちりとレッスンを受けること3時間。「けっこうズバズバ、言われたんですけど」。ちょっと厳しい指導を思うと苦笑が漏れたが、ゴルフだけに打ち込める環境はずっと望んでいたことだった。 もともと父の影響でゴルフを好きになったが、両親にプロになりたいと話した時は積極的な返事はもらえなかった。大学進学を勧められて、一度は龍谷大学に入学。学生生活とプロテストとの両立が難しくなって2年から休学し、両親と相談してプロテストに合格した3年のときに中退を決めた。「思う道に進んだらいいよ」と、いまでは両親も応援してくれているという。 「幼稚園から私学にも通わせてもらって、親も考えることが多かったんだと思う。反抗したわけじゃないけど、違うルートに行っちゃった」と申し訳なさそうに笑ったが、プロ2年目で初優勝のチャンスにつけた。
現在メルセデスランキングは81位。今季はQTのファイナルステージ(11月26日~29日)に出場できる上位70位を目指しているが、今週次第でシード圏内の50位も見えてくる。「あまり気を張りすぎず、いつも通り淡々とプレーが出来たら、結果に結びつくと思う」。師匠と家族に吉報を届けられたら最高だ。(埼玉県飯能市/谷口愛純)