サンゴの白化現象に危機感 沖縄・伊良部島でサンゴ再生事業に取り組む思い「すぐやれることをやる」
沖縄・宮古諸島の伊良部島(いらぶじま)でマリンレジャーサービスを提供する会社の代表が、地元の海やサンゴを守る取り組みについて、ラジオ番組で語りました。 地元育ちのミス宮古島らが語る 宮古島の海の現状 宮古島から車で橋を渡ってアクセスでき、近年多くの観光客が訪れる伊良部島。この島で、ダイビングやシュノーケリングをはじめ、スーパー、レストラン、ホテルなどを集約し、マリンサービスを提供している会社の代表・下山博さんのライフワークは「海の環境を守ること」。現在、特に関心を寄せているのが、『サンゴの白化現象』だといいます。 サンゴの白化とは、サンゴと共生する褐虫藻(かっちゅうそう)という植物プランクトンがサンゴから抜け出し、サンゴが透けて見える現象です。主な原因は海水温の上昇とされ、褐虫藻から栄養を受けられない状態が続くと、サンゴが死滅する恐れがあります。初めて観測されたのは1998年で、その後、2010年や2016~2017年にも大規模な白化が発生し、現在も世界規模で深刻な状態が続いています。 今夏、鹿児島県奄美大島ではサンゴの白化が発生しました。「本当に深刻(な問題)で、『ミドリイシ』という種類は9割以上が死滅したといわれるくらい」(下山さん)。 この白化現象は、夏の海水温が例年より1~2℃高かったことが影響したと考えられています。その原因として、下山さんは台風の少なさを挙げます。 台風が接近すると、海面の温かい水と深層の冷たい水がかき混ぜられるため、海水温が一時的に下がります。しかし、今年は台風が少なかったため、海水温は例年より特に高く「陸上の気温と変わらないくらいで、30℃を超えることもあった」。 今年の4月には「すでに海水温が28~29℃に達していた」と指摘し、サンゴの白化現象の広がりに危機感を募らせる下山さん。 下山さんの会社「IRABU REEF」は、伊良部島漁協、一般社団法人伊良部島環境協会と協力して、サンゴ礁再生事業を行っています。その取り組みの1つが、「サンゴの苗付け」です。 「(この活動は)陸上でもできるもの。『IRABU REEF』のボートの上でサンゴの土台に苗をつけ、その後、海に持っていくこともできる」 「すぐやれることというのは、サンゴを増やすこと。自分で植えて増やすということをちゃんとやっていきたい」(下山さん) 今後の活動について、「とにかくサンゴを増やして、自然に返していくことを目指している。今までサンゴができていなかったエリアにも放流し、そこにまた新しいサンゴ礁を作っていく活動をどんどんしていきたい」と、下山さん。 「僕らの収入はすべて海からいただいていますから、それに対して返していくためにも、サンゴを増やしていきたいし、それを今、一生懸命やっています」と、意気込みを語りました。 ※ラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』2024年12月16日放送回より
ラジオ関西