枕を使い続けて10年、カバーをキレイにしていたら大丈夫でしょうか? メーカーに聞いた、買い替えが大事な理由
枕の買い替えはいつがいいの? なぜ?
毎年全国の1万人を対象にした「睡眠偏差値(R)」という独自の調査を行っている「ブレインスリープ」は、「睡眠医学」と先進のテクノロジーで良質な睡眠をサポート。広報担当の古川さんに枕の買い替えとケアについて聞きました。 ーー枕を買い替えるおすすめのタイミングは? タイミングは新年でも誕生日でもセールでも、人それぞれでいいと思います。年数は素材にもよりますが、一般的に2~3年程度と言われています。それはおよそ2~3年で、頭の重みや汗等により、素材が劣化・変形したり、ダニ・カビの発生率が高くなることが考えられるためです。 ーー買い替え年数と価格との関係は?高額な枕=長持ちでしょうか。 必ずしも価格が高いからと言って、買い替え時期も長くなるとは言えませんが、枕自体の素材や構造による耐久性が優れたものは、長持ちする傾向にあるでしょう。本体が丸洗いできる素材のものは、ダニやカビによる侵食の心配は防げて衛生的なので、比較的長く使われる方が多いです。 ーー枕そのももの基本的なケア方法を教えて下さい。 素材ごとによってケア方法を変えるのがオススメです。 【羽毛枕】デリケートな素材で丸ごと洗濯できないものが多いため、部分的に手洗いし、日陰の風通しが良いところで干してください。 【ウレタン枕】こちらも水に弱く洗濯はできません。汚れたら中性洗剤などで拭き、風通しの良いところで干してください。 【ポリエチレン樹脂素材】当社の「ブレインスリープピロー」もそうですが、シャワーで簡単に丸洗いできます。しっかりと水を切り、同じく風通しのよいところで干してください。 いずれの素材も、直射日光に干したくなりますが、素材を劣化させるおそれがあるため陰干しを推奨します。また、日頃のお手入れとして「スプレー材」も効果的ではありますが、そもそも枕自体の汚れを落とすことには繋がらないので、かけすぎや濡れたままになると、水分が残り素材が劣化するケース等があるため、注意が必要です。 ーー髪が濡れたままで寝てしまうなど、枕の雑菌やダニが増えやすい注意すべき環境はありますか? 特に梅雨や夏の時期は寝室や寝具もダニ・カビが好む環境になる傾向にあるため、枕は通気性の良いものにするなど、熱をこもらせない環境をつくることが重要です。 それ以外の季節でも、例えば濡れたままの髪で寝てしまうと、ダニが好む湿度を上げることになるので、必ず翌朝枕をしっかり乾かすことが重要です。基本的にどのシーズンでも、枕は湿気がある状態で放置しないことがポイントになります。 ーー枕カバーについて。理想的な洗う頻度や衛生面で気をつけることは? 枕カバーにはフケや皮脂、寝汗など多くの汚れが付着して、放置しておくと雑菌が繁殖するだけでなくダニ・カビの原因にもなるため、週1~2回を目安に洗濯することをおすすめします。カバーの生地の素材は、通気性や吸湿性・放湿性、保温性、肌触りなど、どれを重視するかによって選ぶと良いでしょう。例えば通気性重視ならメッシュやコットン、リネンを。吸湿性・放湿性重視ならシルク、肌触り重視ならコットンやパイル素材がおすすめです。 ◇ ◇ 東京都福祉保健局の『健康・快適居住環境の指針』(平成29年3月)によると、アレルギー疾患の患者のいる家庭では、床面のダニ数は100匹/平方メートル以下が望ましいとされ、「家内でダニの糞や死骸を吸い込んでしまうのは、主に睡眠中です。一日の1/3の時間を過ごし、体に接して使う寝具の管理は特に重要です」としています。そう考えると、毎夜寝ている間に、人間のアカ、フケなどを食べるダニが、どんどんと枕内で増え続けるというのは恐ろしい状況ですよね。 春に向けての新生活、もしくは心機一転というタイミング。枕の買い替え時がいつだったか振り返ってみて、衛生面を考え「洗える」「通気性」で選んでみてはいかがでしょうか。近年は「防ダニ加工」を施したものも多いので、好みの寝心地と合わせてぜひご検討を。 (まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・さとうまりこ)
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