高齢ドライバー8割「運転に自信あり」 75歳以上による「死亡事故」増加も…免許返納は“右肩下がり”の現実
運転免許返納は「右肩下がり」
警察庁によると、75歳以上による運転免許証の自主返納は、池袋暴走事故のあった2019年に35万428件(前年29万2089件)とピークだったが、それ以降は右肩下がりとなっている。昨年は26万1569件と、池袋暴走事故が発生する前年よりも少ない件数にとどまった。 75歳以上の免許保有者は、2023年末時点で728万2757人。今後さらに増えることは想像に難くないだろう。
運転免許証の自主返納“促進”に必要なこと
警察庁「運転免許証の自主返納に関するアンケート調査結果」(2015年)では、75歳以上の人を対象に「自主返納者のために必要な支援と情報」を聞いている。ここでもっとも多かった回答は、「交通機関の発達」「交通手段に関する支援の充実」「交通手段に関する支援制度の情報提供」だった。 都心部ならまだしも、公共交通機関が充実していない地域でマイカー中心の生活をしてきた人たちにとっては、運転免許証を返納した後の生活への不安も「自分はまだまだ現役」という気持ちの後押しとなっているのかもしれない。 高齢ドライバーによる事故は大きな話題となりやすいが、これは人々の憂慮の表れとも言えるだろう。国や自治体には、最優先事項のひとつとして対策に取り組んでもらいたい。
弁護士JP編集部