【解説】JR東日本がネット銀行「JRE BANK」開始 ポイント経済圏拡大で“ポイ活”は?
■狙いはほかにも…利用者のデータ獲得で事業拡大へ
渡邊キャップ 「そして、JR東日本が銀行を立ち上げるのにはもうひとつ、狙いがあるんです。それは、利用者のデータです。ポイント経済圏を持つ各社にとって、このデータの活用が非常に重要になっています」 「例えば『JRE BANK』でみると、銀行口座にはいろんなデータがひも付いていますよね。個人の保有者の年齢や居住地、資産の状況、さらに口座の出入金をみるとお金の使い方までわかることがあります」 「さらにJR東日本は、1億枚発行しているSuicaがあるので、それを使って利用者の移動のデータ、つまり『人流』が把握できるんです。これを組み合わせると『この年代の人はここに行きやすい』『こういうものにお金を使うんじゃないか』という傾向が、わかってきます」 「もちろん個人情報がわからないようにしてビッグデータとして、分析に使うわけですが、これによって例えばエキナカの商業施設などで戦略的に事業やサービスを展開しやすくなるというメリットがあります」
■活発化するポイント経済圏争い…データ獲得争いの側面も
渡邊キャップ 「これは、ほかのポイントも同じです。例えば『Vポイント』をためるためにキャッシュレス決済をする、その買い物のデータなどを集めて、本業の金融ビジネスを拡大するのに使っていくというわけなんです」 「JR東日本の事業拡大で、さらに活発化するポイント経済圏争いですが、各社の事業を拡大するためのデータ獲得争いという側面もあることは、知っておいてもよいかもしれません」