ブルース、それは歌の原点 故郷・熊本に届けたい魂の歌声 八代亜紀さん
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『舟唄』(1979)、『雨の慕情』(80)などのヒット曲で知られる、歌手・八代(やしろ)亜紀さん。近年、ジャズやロック、ブルースなど音楽の幅はもちろん、ライブ活動も野外音楽フェスティバルや大学の学園祭に参加するなど、活躍の場を目覚ましく広げている。 八代さんは熊本県の八代(やつしろ)市出身。昨年10月に発表したブルースアルバム『哀歌ーaiuta-』のライブツアーを6月から同県を皮切りに、大阪、東京で行う予定になっていた。しかし、4月14日に発生した熊本地震のため、現地の状況、安全性を考え、熊本公演のみをやむなく中止にした。しかし避難所でつらい生活をしている人のために「早く歌を届けたい」と準備を進めている。 ジャンルを超えた歌への愛と挑戦、躍進し続ける表現の世界への探求、そして故郷・熊本への熱い想いを語ってもらった。
若い人の声援にはノリノリで 何が起こるかわからない野外フェスが大好き
「ファンの皆さんから喜んでもらえる、すごかった、よかったって、褒められるのが好きなのね。小さい頃から父が『歌がうまいね、絵がうまいね』って褒めてくれたのがすごく好きで。それがパワーの元ですね」 野外フェスは数年前からオファーがあって出演している。今年の夏には、伊東ミキオ率いる豪華ブルースバンドとともに、北海道小樽市の「RISING SUN ROCK FES」、岐阜県中津川市の「中津川THE SOLAR BUDOKAN 2016」への参加が決定している。 「じつは野外フェスは大好きなんです。オファーがあったら、ルンルン♪って気分で呼ばれたら行くんですよ。パチッとやることが決まっている屋内のライブと違って、何が起こるかわからない。風が吹いて顔に髪がかかるだけでも歌の雰囲気が変わる。そういうのをすごく楽しんでいます」 通常のライブの場合、観客は40~70歳代の昔からのファンがほとんど。野外フェスでは10~20歳代の若い人たちに会えるのも楽しみだという。 「亜紀ちゃーん!」「生やしろーだぁ!」「やっべぇ~!」 あちらこちらから今どきの若者たちの元気な声が飛び交うのも、おもしろいと愉快に笑う。そんな声援には「ハーイ、ありがとう」とノリノリで応えるそうだ。