ブルース、それは歌の原点 故郷・熊本に届けたい魂の歌声 八代亜紀さん
熊本の皆さん、必ず行くから待っていて!
「熊本地震、ホントにつらいね。叔母から『家にファンのおばあちゃんたちから電話が来たよ』って連絡ありました。『亜紀ちゃんに会いたい』って言ってるそうです」 一刻でも早く駆けつけたいという、はやる気持ちを今、精一杯抑えている。こんなときこそ混乱を防ぐため、行政の指示に従って行動すべきだという。 「6月には行ける体制を整えています。大好きな熊本。行きやすい避難所をいくつか回るんじゃなくて、全ての避難所を回ってみんなに聴いてほしい。3曲、もう歌いたい歌は決まってるの」 八代さんの選んだ3曲は、『不知火(しらぬい)情話』『Sweet home Kumamoto』そして『舟唄』。『Sweet home Kumamoto』はブルースの名曲『Sweet home Chicago』カバー曲。それに日本語の歌詞をあてた。八代さんの大好きな熊本の名所や名産(球磨川、阿蘇の名水、不知火の海の幸)をはじめ、くまモンも登場する、熊本への応援歌にふさわしい一曲だ。
元気の秘密は「楽しく過ごさないと損」と思う気持ち
血色よく、ハリのある肌に加え、病気もなし。若い頃からのイメージはほとんど変わっていない。いつまでも魅力的な女性でいられる秘訣を聞いてみた。 「イライラしたり、人に不愉快な気持ちにさせることが、全然ないんです。みんなで集まっておいしいものを食べて、楽しく過ごさないと損だなって。ライブのスタッフは20代の若手スタッフがたくさんいて、和気あいあいとやっているのがいいのかな」 仕事仲間と楽しく過ごすこともあれば、一人の時間も大切にしている。八代さんといえば画家としての活動も有名だが、現在は月に2度、箱根のアトリエで絵を描く日を決めている。そのほか、ここ数年、テレビドラマを観る機会も増えたそう。 「一人でジーッとして、たまっているテレビドラマを観るんですよ。2年前にテレビのタイマー録画のやり方を覚えてから、ハマっちゃった! 月9とかいろいろ観ていますよ。ときどき鏡の前で演技のうまい女優さんがやってる怖い顔を真似してみるけど、全然似てなくて(笑)」 仲間といるときも一人のときも、常に自然体でプラス思考でいられるのが元気の秘密なのかもしれない。インタビュー中も絶えず、笑いであふれ、ひとたび歌の話になれば、熱い想いを語る八代さん。ほんのわずかな時間であったが、八代さんが歌手として人として愛され続けている理由がわかった気がする。 ■八代亜紀(やしろ・あき) 1971年デビュー。73年に出世作『なみだ恋』を発売。80年には『雨の慕情』で第22回日本レコード大賞・大賞を受賞。芸能生活40周年を迎えた2010年には、歌唱技術が認められ文化長官表彰を受賞。その後ジャズアルバム『夜のアルバム』(12)、ニューヨーク老舗のジャズクラブ「Birdland」で行ったライブアルバム『夢の夜 八代亜紀ライブ・イン・ニューヨーク』(13)を発表。 八代亜紀公式Official Web Site