北海道で相次ぐ”海の異変” イカやウニの不漁続く 漁業のマチで観光に影響も
積丹ブルーと呼ばれる青い海が生み出す絶景と、この時期しか味わえない極上のウニを目当てに多くの観光客が訪れる積丹町。 田村さんの店でもウニを山盛りにのせた豪快なウニ丼が看板メニューとなっています。 しかし、価格設定は年々上がっていて、お店を開いた12年前は2000円台だったウニ丼が去年は6500円、ことしは8000円から1万円ほどになるのではないかということです。
ウニ漁師でもある田村さん。 ことしは海の異変を感じているといいます。 (田村岩太郎商店 田村舟也代表取締役)「コンブも調子悪いんですね、全道的に。コンブのいるところにウニがいる。ことしはコンブがいないのでウニも見えない。さらにカラッと晴れるような北海道らしい天気が、全然天候に恵まれなくて、ウニ漁に出られる回数も少ない」
積丹町では漁師が磯舟に乗り、水中を覗く箱メガネを使ってウニを一つずつ捕獲していきます。 海がシケると当然漁にも出られず、ことしはウニ漁が解禁となった6月1日からの1か月間で、わずか6回しか漁に出ることができませんでした。
影響は観光客にも
地元を代表する味覚の不漁で、積丹町を訪れる観光客にも影響が… (田村岩太郎商店 田村舟也代表取締役)「客足もことしは積丹勢いが無いなという感じはしている。我々、飲食業だったり宿泊業だったりサービス業にとっては(ウニの値段が)適正価格を飛び越えている。際限なく(ウニを)とるのではなく、制限したりする必要が出てくるかもしれない。資源を少しでも守っていく活動をしていかないと、いずれダメになるのではないかと心配している」
今の季節にウニの旬を迎える日本海側の主な3つの地域の漁獲量を去年と比べてみるとー ・小樽市漁協では10%減 ・余市郡漁協では36%減 ・東しゃこたん漁協では49%減 東しゃこたん漁協の担当者の話では、去年は2000円ほどだったキタムラサキウニが、ことしは5000円くらいと2倍以上、値段が上がっているということです。 また、エゾバフンウニに関しては、漁獲量は去年の10分の1ほどに留まっているということです。