最近の子は「発育が早い」ですまさないで…産婦人科医が受診を促す「思春期早発症」とは?「自分も“発育が早い子”だった」「早く知りたかった」
専門機関「日本小児内分泌学会」によると…
内分泌(ホルモン)系の疾患を持つこどもの専門的治療、および病気の原因や治療法などの研究を行っている医師(主に小児科医)や研究者が作成する学術団体「日本小児内分泌学会」のホームページによると、思春期早発症の方は、通常、女の子は10歳頃、男の子は12歳頃より思春期の変化が出てくるのが、2~3年以上早く出現してくると表記しています。 思春期早発症で問題になりえることは、以下の3点だそうです。 1.低年齢で急速に体が完成(成熟)してしまうために、一時的に身長が伸びた後、小柄のままで身長が止まってしまうことがある 2.幼い年齢で乳房が発育する、毛が生える、月経が発来するなどの症状が出現するために、本人や周囲が戸惑う心理社会的問題が起きることがある 3.まれではあるが、脳などに思春期を進めてしまう原因になる病変が見つかることがある。 原因としては、脳から精巣・卵巣に命令を送る視床下部・下垂体という場所が、早くに活動を始めてしまう「中枢性思春期早発症」がもっとも多く、そのうち頭のMRIなどの詳しい検査でもどこにも異常が見つからない(体質的な)「特発性思春期早発症」が多いそう。別の病気が原因で、思春期が早まっていることもあるそうです。 思春期早発症は、日本人の平均と比較して、典型的には2~3年以上早い思春期徴候(男児なら精巣発育、陰毛発生、腋毛、ひげや声変わり、女児なら乳房発育、陰毛発生、月経)が2つ以上存在する、あるいは早期の思春期徴候が1つの場合でも、年齢不相応な身長の著明な伸び、あるいは骨成熟の明らかな進行などにより診断されるとのこと。 思春期が進まないようにすることを目的に治療を行っていき、具体的な治療の対象となるのか、治療効果の見通しなども主治医の先生にご相談くださいと明記しています。また、同学会では、子どもたちの健やかな成長を「成長曲線」で見守ろうという活動も支援しています。 ◇ ◇ 子どもの身体的発達に関しては、赤ちゃん~幼少期は細かく身長体重を測ったり、母子手帳の成長曲線とにらめっこしたりと、気に留めていた方も多いのではないでしょうか。学童期に入り身体測定の結果を見過ごしていたり、「食べてるし、まぁ大丈夫か」と安易に捉えている可能性もあるかもしれません。 今回の投稿には親御さんが気づいた方や、医師から助言された方もいました。 「現在通院中です。肥満気味だなとおもっていたのですが、3年生の2月に初潮をむかえました。主治医と相談して1年ほど生理をとめる予定です。『もし、同じような症状があればすぐに小児科に相談して専門医を紹介してもらってください!』と声を大にしていいたいです」 「3年生の娘が風邪で総合病院を受診した際に、先生から『胸が少し出ているので思春期早発症かもしれません。下の毛が生えたりしたらすぐに受診してください』と言われました」 「男女ともに早く思春期徴候が出現することがある」ということを知っておくだけでも、身体のちょっとした変化に気づくきっかけにもなります。時々成長曲線とも見比べながら、お子さんの発育に不安や疑問があればできるだけ早く小児科や専門の医療機関に相談に行きましょう。 ただし、家族とはいえ父親が娘さんに胸や身体についての話をする際にはご注意を。デリケートな内容であり、性的にからかうことにもなりかねません。もし娘さんの身体に早く変化が見られ、受診を検討したい場合は、例えば周りの女性や学校の女性の先生に協力を仰ぐなど、娘さんが傷つかないよう伝え方に極力配慮する必要があります。 また、かんな先生は、小学生・中学生の生理で、 ・月経痛で1日3回以上痛み止めを使う ・月経痛で日常生活に支障が出ている ・初経から2~3年経っても月経不順が続いている ・順調にきていた月経が不順になり、それが3ヶ月以上続いている といった症状でお子さんがお悩みの場合は、ぜひ婦人科の受診をおすすめしますとも教えてくれました。 現代の女性の平均初潮年齢は12歳2.3ヵ月※と言われています。しかし、今回寄せられていたコメントにもあったように早ければ10歳前後で始まり、かなり個人差があるもの。そして小学生・中学生の生理についてはお子さんが一人で悩みを抱えがちです。学校や社会の「生理への理解」が男女問わずもっと進んで欲しい最中ですが、初潮が早いほど肉体的・心理的にも辛く感じる場面があるかもしれません。「いつでも相談して」と親御さんが温かく見守り、場合によっては婦人科受診も考えておきましょう。 【引用参照】 ■日本小児内分泌学会ホームページ「思春期早発症」 成長評価チャート「標準身長・体重曲線」男子0-18歳、女子0-18歳 ※内閣府男女共同参画局「講義⑩女性への健康支援について」 (まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・太田 真弓)
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