ANZ、豪国債の発行巡り証券当局が調査-トレーダー操作疑惑報道も
(ブルームバーグ): オーストラリアの銀行持ち株会社ANZグループ・ホールディングスは13日、オーストラリア債務管理庁(AOFM)による2023年の豪州10年国債発行に関連する違反の疑いで、オーストラリア証券投資委員会(ASIC)の調査対象になっていると明らかにした。
ANZは「規制上の義務の順守を真摯(しんし)に受け止め、ASICの調査に全面的に協力している」と発表資料で説明した。豪州国債発行のリスクマネジャーとして同行はAOFMに選任された。
ブルームバーグのリーグテーブル・データによると、ANZはウエストパック銀行、UBSグループに続き、オーストラリアで今年3番目に多く国債発行アドバイザーに起用されている。
AOFMの国債データによれば、ANZが昨年共同主幹事を務めたのは、4月の140億豪ドル(約1兆4400億円)相当の国債募集1件だけだったが、利回り3.5%で610億豪ドルを上回る応募があった。
最終的にはANZやオーストラリア・コモンウェルス銀行、ドイツ銀行、ナショナルオーストラリア銀行などの金融機関によって、基準金利に9.5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上乗せした水準に価格設定されたという。
ASICの報道官にコメントを求めたが、これまでのところ返答はない。トレーダーによる国債発行時の操作疑惑を巡り、ANZが調査対象になっているとオーストラリアン・フィナンシャル・レビュー(AFR)が先に報じていた。
13日のシドニー株式市場で、ANZの株価は一時4.2%下落した。
豪州の指標金利であるバンク・ビル・スワップレートの過去の操作疑惑では、ANZを含む複数の金融機関が決着に向け数千万豪ドルの支払いに応じた経緯がある。
原題:ANZ Group Says Regulator Investigating Australia Bond Sale (1)(抜粋)
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Harry Brumpton