まるで「従順な野獣」 ランドローバー・ディフェンダー 130 長期テスト(2) 都心部へ順応できる
多様な目的に対応できる従順な野獣
ダーク&マットなボディカラーに巨大なアルミホイールだから、大型SUVを煙たがる人の気持ちを和らげることはできないだろう。V8ガソリンエンジンより、ディーゼルエンジンの方が好意的に受け止められるかもしれないが。 とはいえ、そんな稀の冷たい視線に耐えつつ、運転中に眼下の環境への注意を怠らなければ、ディフェンダー 130は驚くほど扱いやすい。従順な野獣と表現したくなるほどに。 後輪操舵システムのおかげで、縦列駐車は簡単。20インチ・アルミホイールのガリキズが怖いから、もっとサイドウォールの厚いタイヤが望ましいとしても、ここまで無骨な見た目のオフローダーが市街地にも順応できることには唸ってしまう。 ロンドンの目抜き通りで、ディフェンダーを頻繁に目にする理由も理解することができた。このクルマは大自然以外でも、様々な条件でしっかり機能するようだ。 スコットランドの北西に広がる自然保護区、アウター・ヘブリディーズ列島のボランティア活動には向いていないとは思う。それでも、極めて多様な目的に対応できるSUVであることは間違いないだろう。
積算1万6864km タイアの空気圧を調整
ディフェンダー 130にはセンサーが備わり、現在のタイアの空気圧が表示される。適正な設定値も教えてくれる。長期テスト車のそれは、英国編集部へ届けられた時から、推奨値を僅かに下回っていた。特に右リア側の圧が低かった。 そこで、すべてのタイヤへ空気を補充してみた。今のところ、漏れている様子はない。
テストデータ
■気に入っているトコロ 中域トルク:ディーゼルエンジンの大きなSUVを運転するのは久々だったが、滑らかさと力強さを知ると、選択肢が減っていることが残念に思える。 ■気に入らないトコロ 横開きのテールゲート:横ヒンジのテールゲートは、開くのに後方へ大きな空間が必要。しかし長いディフェンダー 130の場合、駐車枠へ収めると殆ど空間は残らない。 ■テスト車について モデル名:ランドローバー・ディフェンダー 130 D300 アウトバウンド(英国仕様) 新車価格:8万390ポンド(約1527万円) テスト車の価格:9万6745ポンド(約1838万円) ■テストの記録 燃費:13.8km/L 故障:なし 出費:なし
マット・プライヤー(執筆) フェリックス・ペイジ(執筆) 中嶋健治(翻訳)