中尾明慶 「家族を守るべきと見せかけて、実は守られている」
今春公開の映画『俺たちの明日』に出演している俳優の中尾明慶(25)。俳優としてのキャリアは、子役として出演したテレビドラマ「ママまっしぐら!」から数えて約14年にもなる。そんな中尾にとって、昨年は大きな転機だった。2013年春に結婚し、その年の10月に一児の父となった。ヒットドラマ「GOOD LUCK!!」、「ROOKIES」への出演で、俳優としての地位を確立した中尾だが、“守るべきもの”ができたことによって、俳優としても人間としても大きな変化を感じているという。そんな現在の心境を聞いた。
■自分自身が確立できなかった10代 「誰の言葉かは忘れてしまったけれど、『何事もとりあえず10年はやれ』、という意味が凄くわかってきました。10数年前に、ADだったり助監督だった方が、今はプロデューサーになられたり、キャスティングを担当されていたり。この年齢になって“再会する”スタッフの方が増えてきたのは、俳優業を長く続けてこられたからだと思う」と、嬉しそうに明かす。 今、振り返ると10代の頃に出演した「3年B組金八先生」、「GOOD LUCK!!」は武田鉄矢や木村拓哉に甘えていたという思いがあり、また、「20代になったばかりの頃も、事務所の人の誘導に従っていた感じで、自分自身をセルフプロデュースする方法さえもわからなくて、どこかで“ただやっている”という部分があった」と、最近まで『俳優・中尾明慶』を確立できずにいた。 ■結婚、そして愛息の誕生 人生の節目を迎える そんな中、様々な作品に出会って経験を積み、少しずつ何かが見えるようになってきた。その矢先に結婚、愛息の誕生という人生において、一つの大きな節目を迎えることになる。 「結婚をして子供が産まれたことで、仕事に対する考え方も変わりました。正直な話、僕がやっている仕事というのは、いつなくなるかわからない危機感のある職業。若い子もそうだし、僕と同年代の人もどんどん出てくる。一つの役を争う“戦争”みたいなもので、僕らの世代はまさに戦国時代。その中でどう役を掴み取っていくか、凄く考えるようになりました」と真剣な表情を覗かせる。休日でも俳優業をオフにすることなく、常にアンテナを張り巡らせている。映画や舞台の鑑賞も、インプットではなくアウトプットに繋がるように意識している。