映画「お母さんが一緒」で江口のりこが一番印象に残ったセリフは「お姉ちゃんがブサイクなのは根性がブサイクなんだ」
今回の家族の物語を経て古川は「私はこの作品を読んだ時に一番最初に思い出したのが自分の母親と祖母と叔母のこと。まさにこの三姉妹のようで、3人が集まるとどうしてもケンカが起こる。3人とも“私はお母さんに似てない”と言い張っているけど、3人の中にちゃんとお母さんがいるなと思っていて“だからあなたたちはみんな家族なんだよ”と私は心の中で思っていたんですが、最近は私が母に似ているんじゃないかという気持ちもどんどん出て来ている。自分が何か失敗したり嫌なことをすると“ああ、お母さんがこういう性格だから私もこうなっちゃった”とか思うんですが、そう思った自分に気づいた時に“あ、私もお母さんだわ”と思ったり、本当に自分の中に清美、愛美、弥生がいるなと思いました」と自らの家族になぞらえる。 江口は「妹に対してあれやこれや言うところとかは共通しているところはあるかもしれないですね」とこちらも実の妹との日常を明かすも「反省はしていないです」ときっぱり。 内田は「私がこの作品で好きなのは修正不可能か、というくらいにぶつかっても自分の意思で戻ってくる。再生しようとするというか。それは“家族だから”とか簡単にも言えるんですが、家族はすごく近いけど、他者だということをみんなが1回気づいてから、もう1回再生しようとするのかなと思うところがすごく好きだなと思って、自分の家族ともそういう距離感で接せられたらいいなと思います」などと自らの家族観を口にした。
青山は「僕は妹しかいないので、三姉妹ってどういう空気感か分からなかったんですが、監督に“演技しないでいいから。青山君はできるだけ青山君でやってくれ”と言われて、どういうことかと考えていたんですが、この三姉妹のケンカを見ていると確かに無理しなくても“本当にとんでもない姉妹に巻き込まれたな“と自分も出ていたんだけど、きょうだいゲンカを楽しんで見ていたという感じ」などとここでも三姉妹のバトルのすごさを口にした。 橋口監督は「家族といえば、印象的でよく撮れたなと思うシーンがあって、それは最後に江口さんがアイロンをかけているシーン。鼻歌で『赤いサラファン』という昭和歌謡を歌っているが、あれは多分、お母さんが昭和の人で歌っていたんだと思う。それを長女の弥生は聞いて育ったから知っていて、何の気なしに歌っている。次女はよく分からないが、なんか聞いたことがある。三女に至っては全く知らない。いつもお母さんの悪口ばかり言っているんだけど弥生の中にはちゃんとお母さんがいるという感じなんだろうなって思う。そして弥生は妹たちに口うるさく文句ばかり言っているが、自堕落な愛美のブラウスにもアイロンをかけてあげたりと陰に日向に妹たちをフォローしている。その姿がここのお母さんの姿に重なって、お母さんはいつも“あんたたちは”と言いながらもいつも守っていたんだろうなと思うんです」などと印象的なシーンを挙げた。 そして最後は「いつもの私の映画とはちょっと趣が変わって、楽しくて、笑えて、そして切なくて、ちょっと痛いところもある。すごく軽快な物語になっていると思う。楽しんでいただけるとうれしい。この4人のスケジュールが奇跡的に合って、撮影に入れたのは幸運だったし、幸せなことだった。今後ともよろしくお願いします」と締めくくった。 同作は7月12日から新宿ピカデリーほかで全国公開される。