最大9連休の年末年始 防犯対策再確認を 犯人が嫌がる光・音・目・時間を意識して 福島県
最大で9連休となる年末年始が28日から始まった。旅行や帰省で自宅を空ける機会が増え、空き巣などのリスクが高まる時期でもある。首都圏を中心に強盗など凶悪事件も相次ぐ中、福島県警などは防犯対策の徹底を呼びかけている。穏やかな新年を迎えるには、どんな備えが効果的か。防犯設備の専門家は「犯人に『犯行のチャンスがない』と思わせるような対策を講じてほしい」と防犯意識の再確認を勧めている。 日本防犯設備協会の総合防犯設備士委員長の高尾祐之さんは、空き巣などの侵入盗は「入りやすさや内部の見えにくさ、犯行の遂げやすさ」に着目して犯行に及ぶ標的を探すと解説する。一方、侵入まで5分かかれば約7割、10分を超えれば約9割が犯行を諦めるというデータもあるという。被害を防ぐためにはこれらの特徴を踏まえた上で、犯人が嫌がる(1)光(2)音(3)目(4)時間―を意識した対策が有効だと指摘する。 侵入盗の主な対策と効果は【図】の通り。「光」は人の接近を感知して発光するセンサー付きライトを付ける、「音」は足音を生み出す砂利を庭に敷くなどの手段がある。
「目」の備えには来訪者を確認・記録できる防犯カメラの導入がある。高塀や植栽に囲まれていると、道路や隣家など外部から不審者に気付きづらいため、見通しの良いフェンスなどを活用するのも一つだ。窓に補助錠などを付ければ時間稼ぎもできる。闇バイトによる強盗事件では犯行グループが訪問業者を装い、間取りや資産を事前に尋ねに来る場合もあるため、カメラ付きインターホンの利用も促している。 ダイユーエイト福島西店(福島市)は年末年始を前に、防犯用品のコーナーを充実させた。窓ガラスを割られにくくする防犯フィルムやセンサー付きライト、補助錠などの売れ行きが伸びているという。店長の斎藤由樹さん(37)は「比較的安価で、手間をかけずに使える商品も扱っている。何を選べばいいのか、迷っている場合は気軽に相談してほしい」と話している。 ■昨年1年上回る 福島県内侵入盗、11月末時点で869件 県警によると、県内の今年の侵入盗の認知件数は11月末時点で869件で、昨年1年間の824件を既に上回っている。2019年の1419件から新型コロナ禍での行動制限の影響や防犯カメラの普及などを背景に減少傾向が続いていたが、増加に転じている。一般住宅の他、事務所・店舗も被害に遭っており、無施錠の窓から侵入される例が目立つ。各署は年末年始に合わせ、パトロールを強化する方針。
県警本部生活安全企画課は「空き巣などに加え、関東地方などでは強盗事件が発生している。防犯意識を高めてもらいたい」と呼びかけている。