Jリーグ・優勝争いで生まれた“オフサイド疑惑”が残したVAR運用への課題。求められる再発防止策とは?
焦点は副審のポジショニング。審判委員会の結論とは?
両軍のゴール前へ向けたカメラはあっても、ハーフウェイラインを映したそれはなかったと明かされたなかで、判定に対する根本的な質問も飛んだ。DAZNの番組で用いられたスカウティング映像で判明した、明らかに誤っていたと思われる副審のポジショニングに対する質疑応答を再現するとこうなる。 東城「非常に難しい事象だった、ということは繰り返しお伝えします」 メディア「難しいというよりも、副審の単なる勘違いだったのではないでしょうか」 東城「いや、難しいと思います。同じ視野のなかで収まるオフサイドの判定で、ボールの出どころとオフサイドラインを副審がとらえられれば別ですけれども」 メディア「その難しさはわかりますけど、副審がどこのラインの延長線上にいたのかという点です」 東城「それも含めて難しい、イレギュラーなケースだと思うんですね」 メディア「イレギュラーですけど、それを難しかった、で済ませるとまた起こるんじゃないかと」 東城「それはおっしゃる通りですけど、われわれとしてはそのようにとらえています」 実際に大迫のオフサイドでノーゴールと判定され、1-1のまま引き分けたと仮定すればどうなっていたか。神戸は勝ち点63で横浜F・マリノスに並ばれ、得失点差でわずかに上回って首位をキープする状況だった。続く第33節での優勝は決まらず、今月3日の最終節に持ち越されていた。 今シーズンの得点王は、最終的に22ゴールで並んだ大迫と、マリノスのFWアンデルソン・ロペスがともに初めて受賞した。この争いにも影響を与えたと思われるなかで、こんな質問も飛んだ。 メディア「それなりの説明や何らかの総括がないと、あの事象の重さから考えるとチーム的にもサポーター的にも、もっと言えば日本サッカー界は審判をどのように総括しているのか、という目線においても正直、理解をえにくいのではないかと思うんですけれども」 東城「もちろん全部の事象を、すべて説明するのはなかなか難しいと思います。そのなかで、いままでずっと繰り返したように、難しい事象だったとわれわれは振り返りをしています」