「ココアは練るもの」!? 和菓子屋さんがココアの作り方を伝授「めちゃくちゃ美味い」
信玄餅で知られる山梨県の和菓子処「金精軒」(@kinseiken_jp)のXアカウントが、おいしいココアのつくり方を投稿して話題になっています。 【動画】ココアが、ツヤツヤとろとろになるまで練ります 「寒さが堪える季節になったのでココアを淹れました。 分量は『ココアを売って生活している方が考えた最高の配分』をよく選びます。 様々な配分で淹れてきましたが『餅は餅屋だな!』と思わせるバランスです。ちなみにこのアカウントは餅屋が運営しています。」 用意したのはバンホーテンのココアと牛乳、ラム酒です。ココア屋さんが考えた分量は、ココア小さじ山盛り2杯(約5g)と砂糖小さじ山盛り2杯(約8g)、最初に加える少量の牛乳は約10ml、最後に加える牛乳は約140mlです。金精軒さんは、それぞれのポイント画像を紹介しながらつくり方を解説していきます。 「まずココアとお砂糖を潰すようによく混ぜ、均等になったら牛乳をほんの少し足してまとめていきます。 液状になるまで牛乳を足すと混ざりにくくなるのでご注意ください。 テフロンのお鍋をズタズタにするのでこれにも注意です。お台所は危険がいっぱいです。」 「混ざったら、いよいよココアを練っていきます。お鍋を極々弱火にかけます。 ココアは水に溶けるものではなく、ここで練れば練るほど滑らかで美味しいココアになります。 練りすぎて困ることはありません。砂糖のザラザラがなくなり、艶々のとろりクリームになるまで続けます。」 次に、作り方のキモとなる練る作業を動画付きで紹介。弱火で練る工程はバンホーテンココアに印刷されている作り方にはない部分です。動画で黒く艶やかな状態とトロッとした加減がよくわかり、目指す状態が理解しやすい。 「練り上がったクリームを牛乳に溶かせば完成です。 沸騰しないよう弱火で混ぜ続ければ、細かな泡のベールがたゆたってきます。美味しくできた証拠です。」 金精軒さんは、今回はここでラム酒を投入。ホットココアで体を温めて就寝となりました。和菓子屋さんがなぜココアなのか、担当者さんにお話を聞きました。 ──なぜココアの作り方を投稿されたのですか? 自社製品の宣伝ではなく自宅の製菓を頻繁に発信しているのは、和洋問わず菓子専門に親近感を感じて欲しい意図があります。日頃からお砂糖を使った親近感のある発信を続けており、ココアもそのひとつになります。 ココアのポストは冬の恒例になっており、お付き合いの長いフォロワーさんからすると「今年も金精軒のココアがバズる季節になったなぁ」と感じてくださっているかと思います。 ──毎年話題になっていたのですね。おいしいココアはどんなときに飲まれるのですか? 自分が飲むためだけにココアを淹れたことは実はなく、誰かが喜んでくれそうな日に作っています。 ──たとえばどなたに作っているのですか? お菓子に携わる仕事をする前から誰かに何かを作るのが好きで、大学時代はルームメイトが落ち込んでいる日や、単純に寒い日に作っては一緒に飲んでいました。社会人になったいまでも彼女や家族のために作っており、身の回りの者から注文があるとキッチンに立ちます。大切な人に囲まれたシーンや温かい飲み物がコミュニケーションを助けてくれるシーンでココアを使います。 ──ココア餅もあるので、意外と和菓子にもココアが合うかもしれませんね。 ココアのお供はスコーンやクルミ入りのパンなど甘くない軽食がお勧めですが、チョコレートをかじりながら飲むのもお勧めです。口の中に残ったチョコレートがココアの熱で膨らんで堪らない満足感です。 ◇ ◇ 筆者も金精軒さんの作り方でココアを作ってみました。ダマもなく、滑らかで濃くておいしい喫茶店のココアができて、子どもと温かい時間を過ごしました。 リプ欄には、 「練るが大事は知ってましたが練るってどこまで混ぜるが正解なのか?が分からずその時の気分になってたので分かりやすいレシピをありがとうございます(≧∀≦)」 「さっそく試してみました!めちゃくちゃ美味い!!!!ありがとうございます!」 「相方に『ココアは練るもの』と言ったら訝しがられたけど、飲み比べて『練るものだわ…』と納得してたのが面白かった。」 などとコメントが寄せられています。 今回のポストではラム酒をいれていましたが、「塩ひとつまみ」「バター」「シナモン」をいれるとおいしいという人もいました。 ◇ ◇ 金精軒さんは、「『誰かをお砂糖を使って喜ばせるのが好き!』といったお菓子屋さんは世の中にたくさんあります。『何年も前を通り過ぎているけど一度も立ち寄ったことのないお菓子屋さん』がもしあればぜひ入ってみてください。みんな愛を込めたお菓子作ってますよ!!」と、身近なお菓子屋さんに目を向けて欲しいと話しています。もしかしたら新しい出会いがあるかもしれませんね。 (まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・太田 浩子)
まいどなニュース