自民裏金議員は“斎藤騒動”の長期化を期待? 参院政倫審の開催目前、斎藤元彦知事を巡る公選法違反疑惑で霞む
「もう詰んでいるよ」「いやボランティアで手伝っただけだ」――。17日の投開票日から間もなく2週間。兵庫県知事選で再選を果たした斎藤元彦知事(47)を巡る公職選挙法違反疑惑の混乱が今もなお続いている。 【写真】「終わらない兵庫県知事選」の行方…新たな公選法違反疑惑浮上で捜査機関が動く“Xデー”は 斎藤知事は「代理人弁護士に聞いてほしい」と言うばかり。他方、代理人の奥見司弁護士は「公選法違反に当たらない」と繰り返す。これでは真相解明が進まないのは当たり前で、いたずらに時間が過ぎていくだけだ。 兵庫県民もいい加減うんざりしているだろうが、永田町ではこの問題の展開に注視しつつも、さらに騒動が長引くことを密かに期待している声が聞かれるという。 野党議員の秘書がこう言う。 「12月21日まで開かれる臨時国会では、自民党派閥の裏金事件を受けた政治資金規正法の再改正が議論されるほか、参議院で裏金事件の政治倫理審査会(政倫審)が開催される見通しとなっていて、旧安倍派の参院議員20人以上が出席する予定です。今年初めに行われた衆参両政倫審はTV中継され、出席した議員の言動にかなり注目が集まった。おそらく今回もそうなるでしょうが、斎藤知事の問題が長引けば世間の関心が参院政倫審から薄れるかもしれないと。そう考えている議員がいるとかいないとか……」 ■今ごろになって政倫審出席の意向を示しているワケ 参院政倫審は通常国会開会中の3月、裏金議員32人に対する審査を全会一致で議決したものの、出席は橋本聖子元五輪相(60)ら3人だけ。5月にも残る29人への出席要求が全会一致で議決されたが、これまた全員が欠席している。 それが今ごろになって出席の意向を示しているのは、党総裁の石破首相が衆院選で、政倫審の出席を公認、非公認の判断材料の一つにしていたからだ。来夏に参院選を控えた議員はこれを見て大慌てになったに違いない。 ただ、出席しても「自分は知らなかった」「秘書に任せていた」などと繰り返せば、世論の怒りを買うのは避けられないだろう。 人一倍目立ちたがり屋の自民党議員が、目立たないように静かに鳴りを潜めているとすれば滑稽な話ではないか。 ◇ ◇ ◇ 石破首相が総理就任後初の衆参両予算員会に出席する臨時国会。●関連記事【もっと読む】で《石破内閣支持率「46%→31%」と急落…指導者のなさに国民失望=毎日新聞調査》【さらに読む】で《自民「政策活動費」廃止は“やってる感”のエセ政治改革 裏金の“入り口”「企業・団体献金」には手をつけず》を取り上げている。