【首都大学リポート】武蔵大一部昇格に貢献した右腕・松崎公亮 卒業後は社会人、2年後のプロ入り目指す
今秋はMVPを受賞
今秋は開幕の玉川大戦で先発し、7回を無失点に抑えて4シーズンぶりの勝利投手に。その後も好投を続け、二部リーグで5位の防御率1.04をマーク。三振も34回2/3を投げて33三振を奪った。 「ストレートは自己最速の151キロに迫る150キロを2度計測し、決め球の縦のスライダーも腕が振れるようになった分、キレが良くなりました」 こうして、6試合に登板して負けなしの4勝。2試合を締めるなど、チームの8勝のうち6つの白星に関わり最優秀選手を受賞した。 「MVPはチームにとらせてもらったというか、チーム全員でとったというか。とにかくチームのおかげです」 山口亮監督も「球威が戻り、2年生の良かった頃の投げっぷりが戻ってきました。まだまだ成長できます」と話している。 この日の入れ替え戦は4回途中で降板したが「悪いなりになんとかまとめられました」とリードを保ったまま救援へマウンドを引き継いで勝利に貢献。一部昇格を果たし「素直にうれしい。最高の気分です。後輩たちには一部での優勝を目指し、苦しいなかでも頑張ってほしい」とメッセージを送った。 武蔵大は今春も二部で優勝して入れ替え戦を戦ったが1勝1敗で迎えた3回戦は0対1で敗戦。昇格を逃した悔しさを忘れないため、その敗れたスコアをベンチにずっと貼りだしていつでも目に入るようにしていた。一部昇格へかける執念が実った形となった。 大学4年間は「本当にいろいろなことがありました。2年生の時はこのまま行けると思っていましたが、野球の厳しさを教えられました」と実感を込めて話した松崎。実はその2年生の時にバッテリーを組んでいた斉藤北斗さんとは今も連絡を取っているそうで「斉藤さんは大学で野球をやめたのですが、今も試合の動画を見て、配球や間の取り方についてアドバイスを送ってくれるんです。斉藤さんのように、苦しい時も親身になってくださった方がいたおかげで、野球を続けてこられたのだと思います」と感謝の言葉を述べている。 卒業後は社会人で野球を続ける松崎。「ケガをしないように気を付けて、都市対抗で勝利投手になりたい。そして、2年後はプロへ行けるように頑張ります」。後輩へ一部昇格という大きなプレゼントを残し、松崎は社会人野球という新たな世界へ旅立つ。 文=大平明
週刊ベースボール