小池知事、2期8年の「政治的遺産は継続」-3選出馬は明言避ける
(ブルームバーグ): 東京都の小池百合子知事は、自身が取り組んできた政策が日本の首都に永続的な影響を与え続けるだろうと語った。3期目を目指して知事選(20日告示、7月7日投開票)に出馬するかについては明言を避けた。
小池氏は3日、ブルームバーグの英語によるインタビューで、2期8年の任期を振り返り、「私は、東京を再び偉大な都市にするために全力を尽くしてきた」と語った。政治的遺産は継続していくとも付け加え、自らの政策は将来も有効であり続けると述べた。
2016年に女性初の都知事となった小池氏は、日本の政界で「ガラスの天井」を何度も破ってきたことで知られる。7月の知事選には立憲民主党の蓮舫参院議員が「小池都政のリセット」を掲げて出馬表明しており、小池氏と異例の有力女性候補2人の対決を軸とした構図になる可能性がある。
小池氏が出馬して勝利すれば衆院3補選で全勝した立民の勢いを止め、かつて所属していた自民党にとっては政治資金問題への批判で受けた逆風から一時的に逃れることにつながる。
小池氏はこれまで新型コロナウイルス禍への対応で陣頭指揮を執ったほか、東京五輪も実施した。少子化対策や国際金融都市にも取り組んでいるが、出生率や金融センターとしての地位は低下しており、残された課題となっている。
少子化対策で、都はこれまで独自の給付金支給や高校授業料の実質無償化などを行ってきた。小池氏は「人口などの国にとっても核心の問題であり、子どもたちの面倒を見ることができない国に未来はない」と語った。
円安でインバウンド増に期待
小池氏は、円安への懸念について日本語で問われると「あまり感じていない」と述べた。多くの外国人が東京の歴史、伝統や漫画、アニメなどに関心を持ち、実際に東京を訪れることになれば「大歓迎だ」と語り、「より皆さんのニーズに応えられるような努力をしていきたい」と述べた。
ただ、円安と、エネルギー価格の高止まりで影響を受ける都民の生活を守るため、「きめ細かに対応していく」とも指摘した。