高田純次“老い”に持論「何もしないバカみたいな日が続くから、なんとか生きていける」
高田純次さんが、“老い”についての実感を明かしました。 今年1月21日に77歳の喜寿を迎えた高田さん。これまでの1年間をつづった『最後の適当日記(仮)』(ダイヤモンド社)が好評発売中です。 【写真5枚】ユーモアたっぷりの表情を見せる高田純次 2008年に発売された『適当日記』から16年経ち、担当者からの誘いでしぶしぶ筆を取ったそう。“無理やり書かされた”というこの日記では、終活やWBC、ポリープ除去など、高田さんの日常がユーモアたっぷりに語られています。 そんな高田さんに、めざましmediaがインタビュー。本の反響や最近気になることを聞くと、真摯に、そして“適当”に語ってくれました。
この日記の9割はウソだと捉えていただければ
――16年ぶりに日記を書いた感想を聞かせてください。 正直に言うと、「何月何日の内容かわからないけど、だいたいこの辺りだったかな…」って後から書いたり、忘れちゃうから担当者にメモしてもらったりした日もありました。「本当にこの日、こう思ったの?」って裁判で聞かれたら、自信はないね。だから、この日記で言っていることの9割はウソだと捉えていただければ。残りの1割は一体どこにあるのかっていうね(笑)。 ――日記のなかで「毎日楽しいことなんて、そうそうない」「日記をつけさせられると、たまにあるはずの楽しいことも、『実は、ほぼ、ない』って気づかされる」と書かれていたのが印象的です。 意外とね、そんな変わったことって毎日はないんだよね。自分のスケジュールを書くくらいしかないし、何も浮かばなくて1日1文字っていう日もありました。 でも365日、毎日ドキドキするようなことばかりだったら、ちょっとおかしくなっちゃうよ。平均的な日常のなかに、凸凹があるわけじゃない?取り立てて何かなくても、鳥が飛んでいるだけで面白い日もあるし。何もしないバカみたいな日が続くから、なんとか生きていけるのかもしれないね。 とにかく、1年間日記を書くのはなかなか難しかったです。 ――発売後の反響はいかがですか? 皆にこの本で引っ叩かれそうになりましたよ。違うか(笑)。周りは「また出したんだね」みたいな反応です。これはよく言っているんだけど、10年後ぐらいにまた本を出すと思います。その時はたぶん、著者は僕じゃないと思う。 10年後に何をしゃべるかわからないけど、77歳からの10年間って結構キツイと思います。今だって細胞がだんだん衰えて、言葉があまり出ないもん。「うん、あぁ、はいはい」って言っておけば、わかった風に見えるから。時々、よく聞こえなくてもわかった風を装うから、話が食い違っていたりするんだよね。 これから先もっと言葉が出なくなったら、もう日本語をしゃべっていないと思います。全部英語だと思う。 ――喜寿を迎え、これまでを振り返ってどんなことを思いますか。 人生は本当に早いと思います。この前読んでいた本によると、「人生は一夜の夢」だそう。よく、死ぬ間際に「思い出が走馬灯のように駆け巡る」なんていうけれど、考えてみたら、僕は普段から夢のなかで全部駆け巡っているから、今生きていること自体ほとんど幻だと思う。