投資上級者も見逃す…ほとんどの個人投資家が知らない、絶対に知っておくべき「リスク」の“真意”
投資でよく耳にする「リスク」という言葉。しかし、個人投資家の多くは、このリスクの本当の意味を理解していないのが現実です。香港で産業調査に従事し、英国でMBAを取得後、20年以上にわたり株式分析やファンド運用に携わる⾼⾐紗彩氏の著書『ポートフォリオ・マネジメントで一生お金に困らない人になる!』(すばる舎)から、この見落とされがちなリスクについて抜粋・編集してお届けします。 【早見表】年収別「会社員の手取り額」
投資上級者も理解していない…投資における「リスク」
運用の際に欠かせない知識が、「リスク」という概念です。 「投資におけるリスク」を正確に理解することが、成功する投資には欠かせません。ところが、個人投資家のほとんどの人が、「リスク」について正しく理解していないのが実情です。 「投資におけるリスクって、為替のリスクやカントリーリスク、デフォルトのリスク、元本割れリスクのことでしょ」と投資の上級者によく言われるのですが、残念ながら、これらのことでもありません。もちろんこれらは投資にかかわるリスクではありますが、これらとは別の次元で、絶対に知っておくべき「リスク」があるのです。
投資のリターン表示に潜む“落とし穴”
まず、投資の収益(リターン)ですが、これは1年間あたりで表示すると決まっています。ただし、ネット証券などで実績として表示されるリターンはこれではなく、買ったときの金額に対してどれだけ価値が増えたかを示しています。 つまり、3年前に買ったもので30%と表示されていたら、リターンは1年間あたりに直して表記する必要があります。SNSを見ていると、買った値段に対して今日の値段がどれだけ増えたかを「リターン30%!」などと投稿しているケースを見ますが、これでは誤解を招きかねません。3年で30%の上昇なら、1年間あたりでは3で割って(正しくは、1/3乗ですが、ここでは簡易的に3で割ります) 、「3年間の年平均リターンは10%」と表現すべきです。 投資信託などの期待リターンや実績リターンは、すべてこのように年率換算した数値なので、それと3年間のリターン30%を比べて「すごい!」と言うのは、ナンセンスです。 具体的に例を挙げて見てみましょう。たとえば、100万円を投資して3年で130万円になったとします。リターンは、130-100=30万円ですね。これは確かに元金100万円の30%です。 しかし、リターンは1年間あたりで表すので、30/3で10%です。リターンは年平均10%ということになります。この年平均という言葉は、当たり前なのでいちいち書かないことが多いです。そのため知らない方も多いのですが、投資で表示するリターンは必ず年間のリターン表示にする、と覚えておいてください。
【関連記事】
- 孤独死した91歳母、娘が語る美しい最期 “おひとり様シニア”の日常にSNS反響 「理想の逝き方」を考える #令和の親
- 〈月収77万円〉59歳の大企業部長、60歳定年「再雇用」か、それとも「退職」か…会社を去る人たちの自滅パターン「何か間違いでは」
- 「宝くじ1.5億円当たった!」年収560万円の50歳サラリーマン…歓喜も束の間、“まさかの決断”へ。高額当選者がたった数年で「不幸」になりがちなワケ【FPが解説】
- 詰んだ…父亡きあとの実家不動産、母の名義にしなきゃよかった。安易な判断が、後日の「大トラブル」を招くワケ【司法書士が解説】
- ずっと我慢してきたんだから…年金月23万円・68歳の元警察署長、わずか3年で「貯金1,000万円」を失ったまさかの理由【CFPの助言】