今年も暑くなりそう… アメリカでは、熱中症患者を氷の入ったボディバッグに入れて冷やしている(海外)
アメリカでは、医療関係者が熱中症を治療するために遺体袋(ボディバッグ)をクーリングバスにしている。 【全画像をみる】今年も暑くなりそう… アメリカでは、熱中症患者を氷の入ったボディバッグに入れて冷やしている 患者を冷水に浸すと体温が速やかに下がり、深刻なダメージを防ぐことができる。 アリゾナ州フェニックスでは現在、消防車や救急車はこうした「イマージョン・バッグ」を標準装備している。 アメリカではこの夏、医療関係者はボディバッグを使って命を救う。熱中症患者を治療するための、持ち運び可能なクーリングバスにするのだ。 2023年は記録的な猛暑となり、アリゾナ州フェニックスなどでは31日連続で43度を超えた。アメリカ海洋大気庁(NOAA)によれば、アメリカだけでも2302人の熱中症による死者が出ていて、今年はさらに暑くなる可能性がある。 熱中症の治療のため、フェニックスの救急医療関係者は「イマージョン・バッグ」と呼ばれる、ボディバッグを改良したものを使い始めたとニューヨーク・タイムズが報じた。ガーディアンによると、イマージョン・バッグは非常に効果的で、今では市の消防車や救急車の標準装備になっているという。 熱中症患者を素早く氷水に入れることは、体温をすぐに下げる最も効果的な方法の1つだ。 深部体温が40度を超えると、身体はなかなか冷えなくなる。これは脳や心臓、その他の臓器に回復不能な被害を与える可能性がある。 「ベースライン近くまで身体を冷やすのが早ければ早いほど、症状を素早く解消できるだけでなく、より深刻な合併症のいくつかを防ぐことができます」とスタンフォード大学救急医学部の教授サム・シェン(Sam Shen)氏はBusiness Insiderに語った。 その"時間"が極めて重要なため、アメリカの救急医療ガイドラインによれば、医療対応者は通常「まずは冷やす、搬送は二の次」 ── つまり、病院に搬送する前に患者の体温を39度以下に下げるよう努める。 屋外でちょうどいい大きさの浴槽を見つけるのは難しいため、水漏れに強いボディバッグを一時的なアイスバスとして使い始めた救急隊員もいる。