MF杉岡侑樹のV弾でカナリア軍団が2大会ぶりの全国へ 日大豊山は健闘むなしく準決勝敗退
6分、またもやカウンターから大根が左を疾走してクロス。大山がくさび役となって落としたボールを高岡が打ったが、バーに弾かれてしまう。12分にはCB丸山修史(3年)のパスから葛西が狙い、ボランチ平間右庵(3年)の左ロングスローから、30分にボランチ磯野湧人(3年)が放った強シュートもDFにブロックされ、勝ち越し点を奪えなかった。 帝京の後半のシュートは2本だけ。1本目は18分、CBラビーニ未蘭(3年)が宮本の右クロスをヘッドで合わせたが、GK髙橋謙心(3年)のビッグセーブに阻まれた。そして2本目が決勝点だ。延長戦突入間近、前半と同じく追加タイムだった。 右ゴールライン付近で相手CBからボールを奪取したMF杉岡侑樹(2年)が、角度のない場所から左足で決勝ゴールをもぎ取った。 6分のアディショナルタイムが終わってタイムアップの笛が鳴り、カナリア軍団の2大会ぶりのインターハイ出場が決まった。 主将の砂押は「先制されて焦りもありましたが、(早稲田実業との)準々決勝でも同点から勝ち越せたので、自分たちのサッカーをやれば勝てると思っていました」と逆転勝利を喜んだ。 インターハイ準優勝の2年前は、バックアップメンバーとしてチームに帯同した砂押だが、ピッチには立てなかった。「2位で悔しい思いをしたので、今年こそ優勝したい」と全国大会への思いを口にした。 昨年の今大会は東支部2回戦で墨田工科にPK戦負けし、1次トーナメントにさえ進めなかった日大豊山だが、今季は関東高校大会にも初出場した上、今予選でも堂々のベスト4進出だ。 海老根航監督は「高校生の成長(速度)はこちらの予想を超えますね」とイレブンが誇らしそうで、「全国の舞台は選手権にとっておきます。この予選で(他校との)技術の違いを感じたので、レベルアップすれば狙えるところにあると思います」と、秋にはチーム史を塗り替える覚悟を示した。 (文=河野正 写真=矢島公彦)