「七尾牡蠣」目指せ特産 県漁協七尾支所が初出荷
県漁協七尾支所が昨年12月から七尾南湾で取り組む養殖カキが17日、七尾市内の飲食店などに初出荷された。震災で無事だった稚貝は殻の大きさが約13センチ、重さ約60グラムまで成長し、「七尾牡蠣(かき)」のブランド名で殻付き生食用として売り出す。今年は12月までに約4万8千個の出荷を見込み、震災で漁獲量が激減したナマコやトリガイに加わる新たな特産品として「七尾牡蠣」を発信していく。 「ニンジャシステムズ」(佐賀県)のカキ養殖システムを採用した。プラスチック製のかごに稚貝を入れ、ロープを通して漁港周辺の海に浮かべる方法で、国規格よりも厳しい独自の検査基準で生食用カキを養殖できるという。 通常のマガキは産卵を終えた夏には身が痩せるため出荷しない。石崎漁港では「3倍体」と呼ばれる品種で養殖を行い、夏でも身の肥えたカキを出荷できる。国重要無形民俗文化財「青(せい)柏祭(はくさい)の曳山行事」のでか山がモチーフのロゴを作った。 17日は漁業、飲食関係者ら約30人が船に乗って養殖場所を視察した。茶谷義隆市長や西田昭二総務政務官、近藤和也衆院議員、和田内幸三県議らが出席してセレモニーが行われ、初出荷を祝った。竹内大生運営委員長(39)は「七尾の特産品として多くの人に味わってほしい」と期待を込めた。