Z世代がAIスキルを習得すべき「納得の理由」
AIによって働き方が変革される
AIは新卒の仕事の内容、責任も大きく変えると言われている。IBMのグローバル教育と労働力開発の副社長であるLydia Loganは言う。「新卒の仕事といえば、私も含め、電話応対やファイル整理でした。今でもそうでしょう。ですが、AIによって管理業務が自動化されると、AIスキルをもつ新入社員は、より高いレベルの職務を担当するようになることが予想されます」。前述の「2024 Work Trend Index」調査でも、AIスキルを持つ若手社員は昇進が早く、重要なプロジェクトを任される確率が高いと言っている。 AI導入は、働き方自体にも影響を与えると言われる。「2024 Work Trend Index」調査では、ボストン大学ビジネス・クエストロム・スクールの経営・組織学部研究准教授Constance Noonan Hadleyのコメントを引用し、働き方についての再定義を問いかける。「過去数十年、企業は新しい世代や労働のトレンド、そしてパンデミックの影響を受け、“なぜ働くのか”を従業員と再考してきました。そして今、企業は“どうやって働くか”を改めて取り決める局面にきています。AIの進化によって、従業員が仕事を行う方法や手段に対してより大きな裁量権や自律性を持つことができるからです」。 AIによる管理業務の自動化で、自分の仕事をより戦略的に管理できるようになり、業務効率が上がるだけでなく、仕事に対する満足感も向上する。また、日常的なタスク効率化で得られた時間を、創造的な業務や新しいプロジェクトに費やすことができ、AIと連携して働くことで専門性を深め、キャリアアップの機会も広がる。 しかしながら、この変革にはリスクも伴う。例えば、裁量権や自律性に伴う責任も増大し、経験が浅い若手社員はストレスやプレッシャーに常にさらされ、メンタルヘルスに悪影響を及ぼす可能性がある。また、AIツールに依存することで問題解決能力や創造力が低下につながる恐れやAIスキル不足によるキャリア停滞なども指摘されている。