中国で「アメリカ人講師」刺傷事件が発生し、習近平の権威が失墜…!経済無策で「落ちた中国」と「排外主義」の不穏な関係
減少の一途の「自動車販売」
中国政府が6月12日に発表した5月の消費者物価指数(CPI)は前年比0.3%上昇した。4ヵ月連続でプラスとなったが、内容がよくない。自動車やスマホなどの耐久消費財の価格の下落が続いており、消費者の節約志向が鮮明になっている。 デフレ化の元凶である不動産市場の状況は相変わらずだ。 中国の主要不動産開発企業20社の5月の販売面積は前年比34%の大幅減だった。前月比でも4%増にとどまっており、中国政府が打ち出した「在庫住宅買い取り促進政策」の効果は限定的だったことが明らかになっている。 好調だった自動車市場にも異変が生じている。中国乗用車協会が11日に発表した乗用車販売台数は前年比2.2%減の172万台だった。4月の5.8%減に続き2ヵ月連続のマイナスとなった。
「人的交流活性化」のなかで起きた悲劇
こうした苦しい台所事情の中で起きたのが、今回の外国人襲撃事件だった。 一方で、厳しい内需不振のなかで頼みの綱の「輸出」は、拡大している。これに対して、反発を強めるのが欧米であることは、よく知られている。 習近平国家主席はアメリカや欧州と激しく対立するなかで、人的交流だけは絶やしたくない思惑があるが、それに水を差したのが今回の事件だった。 中国国内の状況は、排外主義を喚起しやすくなっている。 後編「「アメリカ人講師」襲撃事件で火が付いた「世界の中国批判」…! 「排外主義」を招いた習近平の「EV大誤算」の一部始終」では、その背景事情を解説し、中国の排外主義が台頭しかねない状況を考えていく。
藤 和彦(経済産業研究所コンサルティングフェロー)
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