夫「妻の段取りが悪い」妻「夫の怒りに納得できない」…「改善すべき点」を受け入れられない相談女性の「頑なな態度」
コロナ禍以降、生活スタイルの変化に伴って夫婦の時間が増えた結果、熟年離婚が相次いでいる。離婚の原因を紐解いてみると、夫婦関係のほんのささいな不満に根ざしていることも少なくない。 【漫画】刑務官が明かす…死刑囚が執行時に「アイマスク」を着用する衝撃の理由 本連載では、離婚カウンセラーとしてこれまで約4万件もの離婚相談を受けてきた著者の新刊『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか?』(岡野あつこ著)より一部抜粋・再編集して、夫婦関係におけるトラブル回避のためのノウハウをお届けする。 身近な人間関係に対するコミュニケーション技術は夫婦間の問題のみならず、職場や家庭、子どもや介護にまつわる悩みの解決にも役立つはずだ。 『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか?』 連載第11回 『“家事代行”も“宅配サービス”も契約してるのに…エリート夫が妻に《モラハラ》をしてしまった“納得の理由”』より続く
段取りが悪いのは「わざとやっている」
このケース、みなさんはどう思われるでしょうか。 相談者女性は自ら望んで専業主婦になったので、自分が家事をやること自体は納得しています。でも「段取りが悪い」と夫に怒られるのは我慢できない、という相談です。 原因が本当に「段取りの悪さ」であるなら、改善策はあります。 調理済みの食材を使えば時短になるでしょうし、お盆を使うとか片づけの時短テクもいろいろあります。「高価な食器だから片付けに時間がかかる」と相談者女性は言いますが、だったらお皿の間に紙などをはさむとか、いろいろ提案しても、相談者女性はやろうとしません。自分から段取りをよくする気がないのです。
もはや挑発
そもそも、夫から「うるさい」と苦情が出ているのに、寝入りばなの時間に食洗機を使うのは、わざと嫌がらせをしているように見えなくもありません。 せめて、「いま食洗機を使ってもいい?」などと聞けば、ケンカは避けられるかもしれないのに、それさえしていないのです。 夫からすると一種の当てつけ、挑発のように感じてしまうかもしれません。 もちろん、家事のことで激しく怒る夫はよくないと思いますが、妻のほうにも改善すべき点があるように思いました。 相談者女性にそう指摘したところ、「そんなことはありません」という返事。「岡野先生はいろんな夫婦を見ているからそう思うのかもしれませんが、私たちは違う」と、取り付く島もありません。 『「生活費をもらって別居すればいい」は大間違い!…夫婦仲がピンチな時ほど「慎重に」行動しなければならないワケ』へ続く
岡野 あつこ(夫婦問題研究家・パートナーシップアドバイザー)