巨人ドラ4が憧れの先輩「大阪桐蔭の歴代ナンバーワンショート」の前でプロ1号
◆日本生命セ・パ交流戦 楽天7×―6巨人(11日・楽天モバイル) 巨人が最大4点差を守り切れず、楽天に悪夢のサヨナラ負け。今季2度目の4連敗となった。2回、岸田行倫捕手(27)の2ランでプロ野球初となる球団通算1万1000号に到達。続くルーキー・泉口友汰内野手(25)にプロ1号ソロが飛び出すなど、今季初の1試合3発を放った。先発の山崎伊は7回2失点と粘投も、救援陣が大誤算。9回はバルドナードが制球難に陥り、最後は2死満塁から小郷に逆転サヨナラ二塁打を浴びた。12日にも敗れれば交流戦Vが消滅する。 【動画】早出打撃練習に吉川尚輝、泉口友汰ら内野陣が集合 普段は全力で駆け抜けるダイヤモンドを、泉口はゆっくりと回った。ベンチに戻って仲間とハイタッチを交わすと、ルーキーらしい無邪気な笑顔が戻った。81打席目で生まれたプロ1号。手元に戻ってきた記念球は「両親に感謝の気持ちを伝えたいです」と和歌山・御坊市の実家へ贈ることを明かした。 完璧な放物線だった。2―0の2回2死。フルカウントから内角149キロ直球を右翼席中段へたたき込んだ。「真っすぐで攻めてきているなって感じだったので、割り切っていきました。会心の当たりでした。プロで一番の打撃ができて良かったです」。岸田のメモリアル弾に続く、2者連続の球団通算1万1001号。巨人では02年9月18日の横浜戦(東京D)に仁志、桑田がマークして以来22年ぶりとなる8、9番の2者連続弾で試合の流れをつくった。 阿部野球の“1期生”が記念すべき一歩を踏み出した。大阪桐蔭、青学大、NTT西日本と名門を渡り歩いたドラ4。指名直後、阿部監督が「自己犠牲に重きを置く」とした記事を読み「プロで生きていくために。長打はたまにかち合って出ればそれでいい」とすぐさまテイクバックを小さくしたフォームに修正した。入団前から阿部野球への適応を図り、内野全ポジションを守れるユーティリティー性で開幕1軍をつかんだ。 大阪桐蔭高3年時のセンバツは正遊撃手としてV。楽天モバイルに到着するとすぐにグラウンドへ姿を見せ、高校の先輩である浅村にあいさつへ向かった。入学前から憧れていたといい「同じポジションですし、大阪桐蔭の歴代ナンバーワンショートだと思う。そういう先輩の前で打てたのは良かったかなと思います」とうなずいた。 チームは9回に3点を奪われて逆転サヨナラ負けを喫した。2年目の門脇と遊撃を争うルーキーは「センターラインは守備力が最も大事。僕たちはしっかり守って。なんとか塁に出て上位につなげていこうっていう意識は常にあります。試合に負けてしまったので、勝ちにつなげていけるような打撃をしたい」。4連敗で交流戦は借金1となったが、力強い一歩を踏み出したルーキーの存在が今後の光明になる。(内田 拓希) ◆泉口 友汰(いずぐち・ゆうた)1999年5月17日、和歌山・御坊市生まれ。25歳。河南中時代は和歌山日高ボーイズでプレー。大阪桐蔭では3年春夏に甲子園に出場し、3年春に全国制覇。青学大では4年秋にベストナイン。NTT西日本から昨年ドラフト4位で巨人入団。178センチ、80キロ。右投左打。背番号35。
報知新聞社