ピケティ、潜入取材の手法、エリート過剰生産…9月の気になるノンフィクション
『Taylor Swift:The Whole Story(原題)』 チャス・ニューキー=バーデン(著)、梅澤乃奈(翻訳)
資産10億ドル超えの富豪になり、世界的にも大きな影響を与えるようになったテイラー・スウィフト。田舎町の少女だったテイラーがどのようにそこまで上り詰めたのかを描いた評伝です。 音楽の話だけでなく、ビジネスウーマンとしての地位確立も、世界制覇までの道のりが描かれた注目の作品がいよいよ邦訳されます
『アウシュヴィッツの父と息子に』 ジェレミー・ドロンフィールド(著)、越前 敏弥(翻訳)
著者、ジェレミー・ドロンフィールドは『飛蝗の農場』で「このミス」1位など当時のミステリ業界を騒がせたミステリ作家です。 今回はなんとノンフィクション。父を救うために自らアウシュヴィッツへ向かった息子、彼らが死地でどう生き延びてそこからどう逃げ出したのかが描かれます。
『解剖学者全史 学者とその書物でたどる5千年の歴史』 コリン・ソールター(著)、布施英利(監修)、小林もり子(翻訳)
出版社がグラフィック社ということもあり、美術書としても読まれそうな作品です。解剖学には5千年もの歴史があるそうですが、その歴史を紀元前からひもとき、各時代でどんな事が行われていたのか、そして人体の神秘に見せられた解剖学者たちの様子とともに描いていきます。人の姿を描くという事と、身体のつくりに興味を持つことがいかに密接に絡んでいたかも読み解けそうです。パラパラとめくって見るだけでも面白そう。
そろそろ夏も終盤ですが、猛暑や強大な台風の襲来など、気候変動について考えさせられるような天候が続いています。これからの世の中がどうなるのか、各国でどんなことが起こっているのか、ヒントを本の中に探してみませんか?素晴らしい本との出会いがありますように! 筆者:古幡 瑞穂(ふるはた・みずほ) 日販→出版社勤務。これまで、ながらくMDの仕事に携わっており、各種マーケットデータを利用した販売戦略の立案や売場作り提案を行ってきた。本を読むのと、「本が売れている」という話を聞くのが同じくらい好き。本屋大賞の立ち上げにも関わり、現在は本屋大賞実行委員会理事
古幡 瑞穂