オーバーツーリズム緩和なるか 京都・山科駅に特急はるか延伸へ 11年度供用開始予定
JR西日本は22日、JR山科駅(京都市山科区)でホームを新設する改良工事を行い、大阪・京都と関西国際空港を結ぶ特急「はるか」を京都駅(同市下京区)から山科駅まで延伸させると発表した。京都駅で発生している観光客の集中に伴うオーバーツーリズム(観光公害)を緩和させる狙いがある。令和7年度に改良に着手し、11年度からの供用開始を目指す。 【写真】京都駅から山科駅までの延伸が発表された特急「はるか」 山科駅には京都市営地下鉄や京阪電鉄が乗り入れている。JR西は同駅を「京の東の玄関口」と位置づけ、地下鉄などを活用した観光スポットの回遊性やアクセスの向上を京都市とともに後押しする。JR西と京都市はこれまでも多言語で山科駅の利用を観光客らに呼び掛けるなどし、京都駅への一極集中の緩和に取り組んできた。 JR西によると、はるかは関西空港駅(大阪府田尻町)と京都駅間を1日約30往復しているが、一部は山科駅に停車している。延伸に伴いすべて山科駅発着となる。 工事では山科駅構内に12両に対応するホームを1面新設し、線路をまたぐ跨線橋とコンコースを伸ばす。事業費は約100億円規模の見込みで、JR西が負担する。 京都駅の混雑回避に向け、JR西と京都市は同駅の大規模改修にも取り組んでいる。新しい改札やコンコース、自由通路を設けて人の流れを分散させ、周辺地域全体の活性化を図るとしている。13年度の完成を目指している。