奄美市住用で1時間61ミリ 宇検、瀬戸内で避難指示 奄美地方大雨
鹿児島県奄美地方は12日、梅雨前線の影響で各地で大雨となった。県設置の雨量計では、瀬戸内町で午前10時までの1時間に52ミリ、奄美市住用町で午後3時半までに61ミリの非常に激しい雨を観測。同日午前中は大和村、宇検村でも1時間に40ミリ超の激しい雨となった時間帯があった。瀬戸内町と宇検村には大雨警報と土砂災害警戒情報が発令され、2町村は一部地域に避難指示を発表した。県によると、12日午後5時現在、人や建物の被害は報告されていない。 気象庁は12日午後3時15分までに、瀬戸内町と宇検村に5段階の大雨警戒レベルでレベル4に相当する土砂災害警戒情報を発表した。これに伴い、県大島支庁が災害警戒大島地方本部を設置。同瀬戸内事務所は午後3時40分ごろ、崩土の恐れがあるとして宇検村湯湾の県道湯湾新村線の一部区間を全面通行止めとした。 宇検村は同日、名柄、湯湾、宇検、久志、生勝、平田、阿室、屋鈍の8集落へ警戒レベル3の高齢者等避難の情報を発表。湯湾集落では道路の一部が冠水し、村は同集落の鯨戸地区6世帯にレベル4の避難指示を出した。 瀬戸内町は西方地区の12地区402世帯に警戒レベル4の避難指示を発令。午後5時までに避難所4カ所を開設し、2世帯3人が避難した。 気象庁のアメダスによる速報値では、降り始め(10日午前11時)から12日午後4時までの降水量は、瀬戸内町古仁屋で208ミリ、伊仙町156ミリ、奄美市名瀬138ミリ、同市笠利134ミリ、喜界町と与論町で各100ミリ。13日に予想される1時間降水量は、北部、南部ともに多いところで50ミリ。名瀬測候所は土砂災害に厳重な警戒を呼び掛けている。