世界の高級・ユニークホテルが加盟する「ルレ・エ・シャトー」 高品質にお墨付きの秘密
■高品質の旅を求める消費者に…安心材料を提供
――世界的に付加価値の高いホテルやレストランが増え、消費者の目も肥えています。そうした背景から、観光関連施設へのお墨付きや格付けに対する関心が高まっていると思いませんか。 「それはあると思います。まずミシュランとルレ・エ・シャトーは世界でも極めて珍しい完全覆面調査で審査をしており、その審査員は経験値が高い人たちです。レベルが高い人に評価されているかどうかを消費者が知りたがるのは当然だと思います」 「さらにいえば、ルレ・エ・シャトーはおもてなしと食文化という2つの軸があり、発足以来70年の歴史の中で、家族経営のオーナーたちが、その土地でしか体験できないものを伝えようと努めてきました。彼らのホスピタリティーを通して、我々は地域を理解する体験を提供してきたのです」 「現代の人々はこうした付加価値の高い旅を求めるようになっています。プレミアムな旅行をしたい人にとって、世界各地で高品質の会員施設を目にするルレ・エ・シャトーは、安心材料の一つになっているといえるでしょう」
■日本での会員開拓「道理にかなう」
――日本ではルレ・エ・シャトーの認知度をどう上げていきますか。 「ブランド認知で最も大切なことは会員を増やすことです。すばらしいクオリティーを自慢できる施設が増えれば、おのずと認知度が上がるでしょう。それは他の地域でも証明されています。2023年、東京のホテルとしては初めてザ・キタノホテル東京（東京・平河町）が加盟しました」 「全70室のラグジュアリー・ブティックホテルで、建築美を誇り、日本らしさをたたえています。ここでこのほど開業したフランス料理『LʼOrangerie 光庵（オランジュリー こうあん）』は日本の風土に根ざす食材の風味を生かした、身体にやさしい料理を提供します」 「日本で会員の数を増やすのが目的ではありません。ですが、世界の中でも飛び抜けて質の高いガストロノミーを提供し、秀でたホスピタリティーが評価されている日本は極めて重要な拠点です。日本での新規会員開拓は、我々にとって道理にかなっていることなのです」 文：THE NIKKEI MAGAZINE 編集長 松本和佳 ※この記事は「THE NIKKEI MAGAZINE」の記事を再構成して配信しています。
