「売家」看板外し電気・ガス・水道を契約《空き家》に住み着いた25歳の男 犯行現場を2970万円で買ったのは…法廷で明らかになった家族の苦悩
検察官: 「なぜ被告は『自立の地』に長崎を選んだのか」 父親: 「自分の勤務地の関係で、被告は長崎県大村市で生まれた。その後も、長崎県で単身赴任する自分に会いに来ていた。そこで長崎に良い印象を持っていたのだと思う」 検察官: 「大村市の『不動産侵奪』事件の示談について」 父親: 「すべて自分(父親)の負担で、事件前の価格2970万円で買い取った」 裁判官: 「金銭管理が苦手で、相当額の負債も抱える被告について」 父親: 「収入に見合っただけの生活ができるように、訓練していかなければいけない」 証言に立った父親は、息子を信じその自立を見守っていたこと、その中で、想像もしない様な罪を犯したことに対し、大きなショックを受けている心境を語った。 息子が侵入した「空き家」を買い取り、今は関東で一緒に生活し自宅からアルバイトに行かせているという父親の行動や証言からは、後悔と責任、再犯へのおそれ、そして今後への大きな不安が感じられた。 ■「早く住みたかった」 つづく「被告人質問」で、男は自らの言葉で、動機について語った。 弁護士: 「なぜ2つの事件を起こしてしまったのか」 被告の男: 「とにかく『早く住みたい』という欲望を抑えることが出来なかった。長崎市に借りていた家に不満があり、出ていきたかった。勝手に空き家に入ったり住んだりするのはダメなことだと分かっていたが、やってしまった」 弁護士: 「お金を出して新しく借りようとしなかったのか」 被告の男: 「…考えが…至らな…かった」 弁護士: 「自分の家に知らない人が入っていたら怖いと思わないか」 被告の男: 「思う」 弁護士: 「再犯した場合はまた迷惑をかけ、裏切る行為になるが、その可能性は」 被告の男: 「ないです!」 ■バレても謝ればいい 検察官: 「空き家を借りるお金がなかったから無断で生活したのか」 被告の男: 「はい」 検察官: 「検察庁での取調べで『無断で入っても管理人に謝って、家具も撤去すれば許されると思った』と供述したが、本当にそう思っていたのか」