資金はどんどん減って…地域の「交通安全協会」が解散へ 家を訪ねて集める「協力金」を断られるケースが目立ち 長野県では全県の入会率が7割→3割台に
「財政的な厳しさは慢性的な問題」
県内3カ所の運転免許センターで安協に入会した際に運転者が支払う入会費は、県安協が代行手数料として請求する3~4割を除いて運転者の住所地を管轄する地区安協の収入となる。入会率の低下は地元で集める協力金の減少とともに各地区安協の財政を直撃しており、複数の地区安協の担当者からは「資金は年々減少している」といった声が聞かれる。
県警によると、昨年県内で発生した交通事故による死者数は42人で、ピークだった1972(昭和47)年の337人から9割近く減少した。県安協常務理事兼事務局長の町田勉さん(61)は「交通安全への意識も変化しているのではないか」と指摘する。役員の高齢化も進む中、地域に根差してきた安協の活動は大きな転機を迎えている。 (樋口佳純)