NTT西日本・伊原陵人(C)産経新聞社

2024年ドラフトを振り返り、新戦力を紹介していくプロ野球ドラフト選手名鑑。伊原陵人など阪神が指名した選手の経歴やプレースタイルについてまとめた。

独立リーグから5人の大量指名

阪神は支配下5名、育成4名の合計9名を指名した。1位で金丸夢斗（関西大→中日）のくじを外したものの、2回目の入札では同じく左腕の伊原陵人（NTT西日本）の単独指名に成功した。2位では将来性抜群の身長187センチの長身右腕・今朝丸裕喜（報徳学園高）、3位では大卒社会人出身ではあるものの投手転向から日が浅く伸びしろのありそうな木下里都（KMGホールディングス）と様々なタイプの投手を指名した。 4位では「打てる捕手」候補として町田隼乙（埼玉武蔵ヒートベアーズ）、5位では俊足巧打が売りの佐野太陽（富山GRNサンダーバーズ）と続けて野手を指名した。上位で野手を1人も指名しなかったのは、現在のチーム状況をよく表している。 また育成含め9人中5人が独立リーグからの指名となった。残りの4名のうち1名も今年からウエスタン・リーグに新規参入した、くふうハヤテベンチャーズ静岡からの指名。高校や大学、社会人とは違い、試合数は違えども年間を通してリーグ戦を経験している点はプラスに働きそうだ。

1位指名・伊原陵人（いはら・たかと）

智弁学園高時代は3年春の甲子園に出場し、2試合で13回1/3を投げ3失点（自責2）の成績だった。3年時にプロ志望届を提出せずに大阪商業大へと進学すると、1年春から試合に出場し通算15勝を挙げ全国大会にも4度出場した。今度はプロ志望届を提出するも指名はなくNTT西日本へ入社。社会人1年目から都市対抗野球の先発を任され2大大会では通算3試合に登板している。 身長170センチと小柄ながらストレートの最速は150キロに迫る。変化球はスライダー、カットボール、フォークなど。先発、中継ぎともに適性があり早い段階で勝ちパターンやクローザーとしての起用もありえるほど即戦力としての期待がかかる。