女優・古川琴音さん「自分のことばかりでなく作品作りの全体像が考えられるように」|CLASSY.
「自分の嫌な部分があったら、そのまま受け入れなくていい。もがいていいと思うんです」と、自らに言い聞かすように話していた姿が印象的だった古川琴音さん。どんな役でも天才的に演じる姿しか目にしていなかったのでとても意外に感じました。人と比べて、うまくいかない自分に落ち込むのはもしかしたら私たちと同じかも。参考になる考え方を、共有してくれました。 【写真あり】ウェルビーイングについて語る古川琴音さん
最終話まであるアニメは、徹夜で観てしまう性格です
映画『言えない秘密』では、ミステリアスな雰囲気の音大生・内藤雪乃を演じています。彼女は強い気持ちを持って、自分が決めた道を突き進む人。どこか人間離れしたキャラクターではあるのですが、猪突猛進なところは理解できる部分でした。例えば日常的なことで言うと、最終話まで出揃っているアニメがあったら、私は2、3日で集中して見るタイプ。寝る間を惜しんで見ても、睡眠時間を削っている意識もないくらい、気になったらそのことしか考えられなくなるので、「もしかしたら雪乃もそうなんじゃないの?」と思っています。 撮影に入る前に原案である台湾版を見て、ピアノがストーリーの主軸にあり、弾き方や音に表現を込めざるを得ないと思ったので、クランクインの1カ月前からピアノの練習を重ねてきました。難易度の高い曲もあり、すべてのシーンを自分で弾くことは難しかったのですが、自分の身体が映っている場面で音と心がバラバラにならないために、かなりの時間を練習に費やしました。役作りの原動力は、いただいた役を深く知りたいという思い。演じていると、自分が出したことのない声や感情が出ることがあるんです。自分の知らない自分に出会ったり、自分の身体の中に未知の気持ちや情熱を発見できることも、モチベーションに繋がります。
リスペクトしあってできる仕事だから、年下を後輩として接したことはありません
自分も周りも幸せにするために、笑顔でいることを心掛けています。お気に入りのバーがあるのですが、働いている人たちがずっと楽しそうで、それが伝わって自分も笑顔になれる場所なんです。そんなふうに楽しそうに働く人の顔が好きだし、仕事の現場でも笑顔でいることは、周りを幸せにすると思っています。現場では年下の共演者も増えていますが、この世界は年齢問わずひとりひとりがアーティストとしてリスペクトし合いながら成り立っているもの。自分より若くても芸歴が長い方もたくさんいるので、後輩として接する人はいません。ですが、キャリアを重ねる中で、現場での立ち居振る舞いは変わってきました。 これまでは自分のことで一杯一杯でしたが、最近はスタッフさんの動きを見て、意図を汲み取り、自然と動けるようになったかなと思います。照明を直しているから、自分がスタンドインした方がいいだろうなとか、次の流れ的にここに立っていた方が良さそう、とやっと作品づくりの全体像が分かってきました。5年後…32歳になったときは、もう少し自由に、アクティブになっていたいと思っています。自分が役を演じるために、事務所の方やスタッフさんなどいろんな人が動いてくれているので、みなさんとより深くコミュニケーションを取ってアイディアを出し合いながら、今以上に楽しくもの作りができる環境を整えているのが理想です。