野村証券社員だった容疑者「金を盗むため睡眠薬飲ませた」と供述 広島市の強盗殺人未遂・放火事件
広島市西区の民家で7月、高齢夫婦に薬物を服用させて建物に放火し、現金約2600万円を奪ったなどとして、神奈川県の無職の男(29)が強盗殺人未遂と現住建造物等放火容疑で逮捕された事件で、容疑者が「金を盗むために(高齢夫婦の)妻に睡眠薬を飲ませた」と話していたことが、関係者への取材で分かった。 【画像】警察に連行される野村証券の元社員 捜査関係者によると、広島県警は当時、広島市内にあった容疑者の自宅を家宅捜索し、睡眠作用がある薬物を押収した。薬物は自らに処方されたものだった。出火当日、容疑者と飲食した夫婦の体内からは睡眠作用がある薬物の成分が検出されており、県警は処方された薬物を摂取させた可能性があるとみて鑑定を進めている。 また、容疑者が火災後に為替相場の変動などを予想して投資する金融商品に投資していたことが捜査関係者への取材で判明。県警は個人的な投資目的で犯行を計画した可能性があるとみている。一方、容疑者は夫婦宅から持ち出した現金について「別の顧客から預かった投資金で損失を出し、穴埋めに充てた」などと関係者に話している。 火災は7月28日夜、西区の無職男性(86)と妻の会社役員女性(84)が住む民家で発生。当時は証券大手の野村証券の社員で、夫婦は顧客だった。同社を傘下に持つ野村ホールディングス(HD)の北村巧財務統括責任者は1日の決算記者会見で「元社員が逮捕されたことは極めて遺憾。信頼回復に努めたい」と謝罪した。 県警は同日、梶原容疑者を両容疑で送検した。県警によると「現金を盗んだが、放火はしていない」と供述しているという。
中国新聞社